● 世に広まっている西洋占星術は、誕生日に基づくものが全盛です。しかし、ほぼ、創作とたくましい想像による創造で出来上がっていることをご存知でしょうか? 誕生日や誕生時間を知る人が少なかったという理由もありますが、古典的な基礎となる占星術をすっ飛ばして体系化されてもいるのです。
例えば、古代の占星術は、惑星の動きを追いながら、チャートを解釈していました。例えば、下記のようなものです。
上記のチャートは、金星がセキスタイル・アスペクトで火星に近付いているように見えます。
図-2の方は、金星が火星から離れてきたように見えます。
● モダンな占星術では、2枚のチャートの配置は同じ解釈になります。
しかし、明らかに、図-1の金星は火星に近付き、図-2の金星は火星から離れています。
更に、金星は本当に火星に近付くのでしょうか?
また、金星は本当に火星から離れてきているのでしょうか?
つまり、金星が近づく途中で、逆行に転じるかもしれませんし、金星が逆行しているからといって火星から離れたわけではなく、12度の所で逆行を始めたのかもしれません。
● これを解釈する場合に、アセンダントのロードである火星が、金星という異性にコンタクトを取れるかもしれないし、取れないかもしれません。
図-1の方は、異性に近付くことができると解釈できますが、金星が引き返すとすれば、異性に手が届きません。
図-2の方も、異性と過去に付き合っていたのかもしれませんし、途中で引き返してきたのなら、異性に誘われただけで、実際には付き合っていなかったのかもしれません。
2次元的なチャートだけを見て、時間軸を忘れてチャートを解釈すると、画一的な解釈しかできないという例です。明らかに、惑星は、誕生した時間の前後を考えてみないと、ハッキリしたことを言えないのです。そんな作業をしたことがあるでしょうか? また、そんな作業をしなくてはいけないと教えてくれた人がいたでしょうか?
● 惑星の動きを追いながらチャートを解釈することは、練習を必要とします。分かるということと、できるということは違います。チャンとした例題で学ばないと、見えてこないのです。単なるアスペクト1つが、見えてきません。上記の例題のチャートで、その事が多少理解できることと思います。
つまり、同じ金星と火星のアスペクトでも、無数の広がりがあるということです。図-1の方は、物事が成就する可能性があります。ネイタルに存在しても、成就します。例えば、金星と火星のアスペクトによって、初恋か本気で好きになった人との恋が実るなどの結果が得られます。
金星が近づいても、火星に届かない場合、恋が実らないかといと、そうでもありません。ただ、初恋とか、本気で好きになった人との恋愛は難しいでしょう。
初めから逆行している図-2の方は、残念ながら恋が実らないとした方がいいでしょう。かなり好きになった人と一緒になるべきです。最愛の人とは難しいです。それが人生の闇を作るかどうかは、本人の考え方次第です。
人生が変えられないのだったら、こんなつまらないことはありません。作り変えられます。少なくとも、自由意思の問題を占う時に、それは何度も経験します。
『私は、旅行に行きますか?』
などの質問のことです。チャートに「行く」と出ていても、本人が行かなければ、それはチャンと外れます。
『私は、妊娠しますか?』
という質問で、妊娠できるとチャートが示しても、本人が一度も交接を行わなかったら、妊娠はできません。
自由意思の質問とは、このような質問のことです。妊娠の質問は、半分、自由意思ですが、相手のある質問ですから、半分は自由意志でもないでしょう。
● それでも、惑星の動きを正確につかむことは、ホラリー占星術を学ぶことによって得られます。
推薦図書 『星の階梯シリーズ』