● ちょっとだけ歴史上のことを考えてみて下さい
時計が庶民のものになったのはいつ頃?
時計は、いつ頃から庶民に手の届くようなものになったのでしょう?
カレンダーが 庶民のものになったのはいつ頃?
カレンダーはいつ頃から庶民の手に入るくらい、安く売られるようになってきたのでしょう。
西洋占星術の歴史2500年の中で、カレンダーや時計が自由に身の回りにあるのは、ここ80~90年のものです。カレンダーは木版刷りのものが在ったのでともかくとして(それでも庶民の手に入るようになったのは、グーテンベルグが印刷機を発明した後の事です)、時計はとても高価なものでした。
そのような時代に、人々は誕生日や誕生時間を知っていたのでしょうか?
では、西洋占星術、西洋占星術と言いますが、どうやって占っていたのでしょうか?
● 王様に雇われる天文学者の大きな仕事は、時間を決めることと王様のコンサルタントでした。星で占うこともその中に入っていました。今日でこそ、星占いと天文学は二つの別々の学問ですが、古いヨーロッパでは同じ人が担当することが多かったのです。
さて、天文官は時間を決める為に、毎日、太陽や晴れた日の夜には星の位置を観測して時間を把握しています。王様に召し抱えられていない天文学者たちも、天文の研究だけでは食べていけず、星占いを生業の一つとしています。ケプラーもニュートンも数学者であると同時に、占星術師でもあったのです。
彼らの使った占星術は、その多くは質問の尋ねられた時間を使って占いました。
Horary Astrology、ホラリー占星術と呼びます。
● 質問の誕生時間って、クライアントの頭の中にその質問が生まれた時では?
だとしても、人の誕生時間の方も受胎の時間を使っていません。出生の時間は生まれた時間を使っています。質問の誕生時間も同じです。頭の中に生じたのは、まだ生まれたばかりの整理されたものではありません。誰にもコミュニケーションを取っていませんし、この世に生まれたというには、あまりにも混沌としています。
クライアントである質問者は、物事の推移を、あるいは結果そのものを占い師に聞きたいと思い立ちます。昔は、神に敬虔な祈りをささげて家を出たのでしょう。そして、占星術師に尋ねることを目的にして、その門を叩きます。
門が叩かれた時、まだ質問は生まれていません。クライアントは占星術師の召し使いに部屋に通され、挨拶を交わします。この時も、まだ質問が生まれたわけではありません。
「今日は、どのようなご用事で?」占星術師が尋ねます。
「じつは、かくかくしかじかの事について尋ねたい」クライアントが応えます。
「して、その詳細をお教え願いないだろうか?」占星術師は疑問点を差し挟みます。
「それは、かくのごとくです。」クライアントは核心部分を答えます。
この時に、質問が生まれたと言えます。
その時間を使って、そして、占星術師が質問をクライアントの意思(本心)※1 を含めて理解した場所を使ってチャートを立てます。それが、ホラリー占星術です。
古来「特定の質問に対して、特定の答えを与える占星術の芸術」と称えられています。
赤ちゃんが、お母さんのお腹から、生まれた。
質問が、クライアントの頭から生まれた。
ホラリー占星術によって、ときにはとても詳細な判断が可能です。
※1 クライアントの意思を推し量るためにチャートを観察する場合には、チャートを立てる時間に若干の異論があります。
一つ目は、クライアントが来ることが分かった時間に立てるというものがありました。あくまでも、クライアントの具体的な質問内容では無く、『どのような意図で、質問にやって来るのか』を観察する為に使われました。
その中には、占星術師を欺いてやろうとか、質問内容に関係の無い意思も読み解こうとした形跡があります。ホラリー占星術とは、そういうものでした。
二つ目は、ホラリーを行う同じチャートから、クライアントの本心を探りだそうとするテクニックも存在していました。
私は、こちらの方が信憑性が高いのではないかと思います。何故なら、昔はメールや電話等が無かったからです。
何時、お客さんが来るかなんて分からなかったはずだからです。
● 下記は、Amazon で売られている西洋占星術の英文のネイタルの本です。
あまりにも、信頼できる日本語の本がありません。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』