星占いの2番目のハウスは、左回りにハウスの順番は付いています。昔の名は『Gate of Hades』 冥界(から)の門となっていました。死のハウスが8ハウスで、そこから冥界へ行くのなら、冥界からこの世へ来る時は、7ハウス(実際に地平線から見えなくなる点として)から数えて8番目のこの門から来ると、そう考えられてもいいでしょう。
惑星はその日太陽が東に昇り、右回りに進んでいきます。これをプライマリーモーションと呼びます。日々の普通の動きのことです。
これに対して惑星が日を追って順行する方向のことをセカンダリー・モーションと呼びます。左回りとなります。これは次の日の太陽や月の進む方向のことです。
次の日の惑星の位置はほとんどの場合、今日の位置よりチャートの左回りに進んで行きます。ネイタルだけを勉強してきた人には、惑星の進む方向を間違えている方が時々いらっしゃいます。全ての方向が右回りだけだと思っている人、あるいは左回りだけ(だってハウスの番号に従っているんじゃないの?)だと思っている人もいらっしゃいました。事実です。
逆行というのは、どちらへ向かうことが逆行なのか調べたこともない人も多いのです。ネイタルの土星と火星のどちらかが逆行している人も、間違いなく最悪の本当のアスペクトだと信じ込んでいたりします。順行と逆行を考慮に入れないと、近づくこと(アプローチ)と、離れる事(セパレート)がまったく違ってきます。
第二ハウスのルーラーが金星だと思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。 こちらの図をご覧になり、ハウスの項のそれぞれをご覧になれば違うということがご理解いただけると思います。
金星は、このハウスに関係がありません。ハウスの支配星は、カルディアン・オーダーという惑星の順番に配置されています。つまり、土星→木星→火星→太陽・・・という並べ方で、木星が共同表示星となります。
ネイタルでのアセンダントの土星は良い配置なら長命とかになっていますし、木星が2ハウスにあれば富の増大を示します。
また、金星が金銭を示す惑星だと勘違いされている方も、対応するサインが牡牛だとする考え方から出てきます。流動資産に含まれるような財産は、第2ハウスのルーラー木星が司っています。
この2ハウスは植物ならば芽を出す準備、動物なら出生の準備といえるハウスです。(ここでは右回りに考えます。エジプトには、インド以前に既に輪廻転生観 《参照4ハウス》がありました) 内部で成長は始まっています。卵になぞらえれば、栄養分でしょうか。アル・ビルニは確かに滋養分と書いています。リソース、源泉、利用できる財です。しかし、ひじょうに静かなハウスです。ひっそりと身ごもる、育まれている、外部に対する影響力を持っていないかのように錯覚さえします。でも、内部的にはものすごい成長力・エネルギーを持っていると言わざるをえません。オポジションの8ハウスが、ものすごい衰えを示すのと対照的です。
第2ハウスはアセンダントとメジャーなアスペクトを取り得ないということで、弱いハウスと思われます。ですけれども、アセンダントに続いているハウスとしてそんなに弱いとされていません。
冥界の王ハデスは死の神であるばかりでなく、再生する魂に必要な財物を惜しげなく与える神でもあるのでしょうか。それとも、再生する魂は必要な財は自分の徳の範囲内でそろえることができるのでしょう。エジプトの哲学は明らかに輪廻転生観を備えていました!
現代占星術はどのハウスの力も、強弱が伏せられて語られていないので、とても読みにくい占星術になっています。簡単な方式になっているので、取っつきやすいのですが、読みにくいのでハウスを主体にしない様々な手法が発達する事にもなりました。ハーフ・サム、調波、etc.
「隠されていて潜在的」・・・なんと都合の良い言葉でしょう。何にでも当てはまりそうですから、時々使えます。
2番目ですので、牡牛のサインが一応当てはめられていますが、牡牛のサインに2ハウスという意味はありません。表に書いたら出てくる程度です。
現代占星術の信奉者の皆さまには、ものすごいインパクトであるとは思います。
もしホラリーでの質問が個人の所有物、動産や可動品、又は利得に関するものならば第2ハウスが考慮されることになります。現金、富(金やダイヤモンド)、利益、および利ざや、損失、収入、銀行預金等になります。
すべてのサクシーデントハウスは、前に置かれたアンギューラーハウスの(源泉・財源)リソースを示します。ここで現金が出てきていますが、木星と関係があります。牡牛のサインから導き出されたものでもありません。
ちゃんとした財産が得られるか、そしてその時期。物質的に幸せになる能力。物質的な達成の意味。いつまで資産の増加は続くか。動産を売れるか。収入に対しての質問等の質問に対して応えます。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』