セクト (sEct・派閥・党派)その2


あなたは、伝統的な占星術のネイタルの読み方をご存じでしょうか?

 

習って知っている・・・

 

そこに、セクトの判断はありましたか?

 

ウィリアム・リリーのものを学んだ… いいえ。リリー流の気質の判断から入る方法は、アラビア時代の占星術師や、それ以前の誰によっても書かれていません。

 

ドロセウスやアブー・アリの本から学んだ。彼らはセクトに分けられたトリプリシティーの観察から入ります。でも、それは大雑把な判断方法を与えてくれはしても、詳細な判断方法ではありません。

 

古典的な西洋占星術の文献類の多くが蘇りつつありますが、未だに占星術的なリーディングが書き留められたものがなかなか無いのです。

 

 

『古典占星術』と銘うった下記表紙の本は、様々な点で、これまでの西洋占星術の本には書かれていない方法が著わされています。少し難しい部分がありますから、第六章(解釈の事例集)から読む方法もあります。

 

 

『古典占星術』

 

これは画期的なネイタル・チャート・リーディングの本です。セクトを把握すべきだと書いています。チャールス・オバート氏が著わしたこの本は、これまでのものとは別格です。あなたには確かに難しい部分もあるかもしれません。でも、他の人にも理解してほしいので、思い切って翻訳しました。セクトから入るべきだと書きながら、詳しくは書いていません。ぜひ、ブログを参照しながら読み進めてください。

 

 

注目すべき惑星から読み始める手法だけでも、日本で発刊されたこれまでの西洋占星術の本には無かった方法です。あなたには分かると思いますが、知らない法則は使われていません。ただ、知ってはいても深く理解していない知識がそこにあっただけなのです。

チャートが昼であるとか、夜であるというセクトの違いだけで、ここまで変わってしまう ! という知識は、あなたにとっては常識ですが、案外気が付いていない人たちが大勢いらっしゃいます。地平線より上に太陽があれば昼のチャートで、その逆は夜のチャート。常にチャートを見ていながら気付いていない人は多いと思います。西洋占星術が誕生した頃より使われていた「セクト」という概念に連なることは、ご存じの通りです。

サインのルーラーや、イグザルテーションのルーラーのことも大勢の人たちがご存じだと思います。ただ、その確かな使い方が不思議と書かれていなかったのも、これで解消されるはずです。その逆位置である、デトリメントの状態の惑星や、フォールの惑星についても詳しく使い方が実例として載せられています。あなたも賛同してくれるはずです。

 

 

著者のチャールズ・オバート氏はフランスの17世紀の占星家、ジャン・バプテスト・モラン(ラテン語名、モリナス)の判断方法を基に、もちろん完全な踏襲ではなく、占星術家の仲間とともに勉強会を重ねこの本を著しました。仲間の中にはベン・ダイクス氏(ベンジャミン・ダイクス氏の愛称)やエステル・ダニエルズ氏も加わっています。

 

そのようなネイタルの研究は、伝統的な占星術の判断方法に風穴を開けてくれました。多くの文献類と矛盾することなく、惑星の位置の把握や、惑星そのものの評価を基にリーディングを行う方法です。この本は、現在、アメリカのケプラー・カレッジ(占星術専門学校)の教科書の1つとして採用されています。チャールズ・オバートによる『古典占星術』がそれです。正確な表記は、『Introduction to Traditional Natal Astrology』ですが、日本の総合法令出版社は的確に『古典占星術』と名付けました。私の翻訳で全国の有名書店で売っています。

 

チャートの判断例が6例載せられています。その前段で、どのような方法を使って行うのか、その更に前には、判断のための構成要素を書き綴り、更にその前段階には注意すべき点が網羅されています。

 

やはりリセプションの理解が欠かせず、アスペクト毎にリセプションをどう解釈するかという少々のハードルの高さはありますが、ネイタルのチャートを読むためにはどうしても理解しなければいけないので、リセプションについても詳しく書かれています。この機会に、ぜひリセプションの理解と、伝統的なチャートのリーディング方法を手に入れてください。

 

 


セクトが生まれた、ヘレニスティック占星術

 

ヘレニステックな占星術が構築されたのは、それより以前の天文学的なデータや、星を使う占いをベースにして組み立てられた、紀元前150年前後のことです。

 

私たちが現在行っている西洋占星術の原型が「ヘレニスティックな占星術」と呼ばれるものでそれほど古いわけではありません。しかし設立の当初から、セクト、トリプリシティー、4つのエレメント、サインのルーラー、12のサイン、12のハウス、イグザルテーションのルーラー、ロッツ等々、今日行われている基本的な要素が揃っていた占星術です。

 

定義はされていませんでしたが、リセプションもありました。同じく定義はされていませんでしたが、ディグニティーも存在しました。アスペクトという単語は当初からありました。

 

当時は幾何学が神の領域のもののように美しく数学的なバランスを取る物として、もてはやされ、とても重要視されていた時代でした。

 

西洋占星術の要素の中には、幾何学的な影響を受けているものが多くあります。例えば、パート、あるいはロットと呼ばれるものがあります。また、サイン同士のアスペクトなども理路整然とした六角形や四角形を基にしています。

 

セクトの惑星も、幾何学的に美しい配列を持っています。

 

 

 

昼セクトの惑星たちと、夜セクトの惑星たちは、相似形の三角形に収まります。

同時に、火のトリプリシティーと、水や地のトリプリシティーとなっているのをお気付きでしょう。

 

だから、どうだ、というわけではないのですが、こうした形を見つけると、ヘレニスティックな時代の人たちは、幾何学的な美しい形に惹かれていたのだろうと思います。

 

その一環として、二分(どの文化にも存在しますが)、三分(トリプリシティー、トライン)、四分(スクエア、モード)、六分(セキスタイル)といった形が出来上がったのかもしれません。