● 『運命の人ですか?』
このような質問をよく受け取ります。
なんと、女性だけがそんな夢みたいな質問をするのかと思っていたら、男性からも頂きました。
下記のチャートは、男性からのものです。
● 昔、外国の霊能者に、「あなたの運命の人はこうこうこういう人だよ!」と予言されたことがあります。
今年、その条件にかなり当てはまる人が現れました。
昔の予言はさておき、この人は私の運命の人でしょうか?
私自身は、まだその人には恋愛感情までは持っていません。
● 質問を前にして、この質問をどう捉えるか?
占星術師は、質問を受け取った時に、それは正しい質問なのかどうかを考える癖があります。いつしか、それは習性となります。時間の整合性を調べるのです。
このチャートは、日曜日の太陽の時間になされています。アセンダントは♋のサインで、そのロードは月(☽)です。時間のロードの太陽(☉)と、アセンダントのロード月(☽)の間に、あるいは、アセンダントのエレメントや、アセンダントのトリプリシティーのロードの性質の間に、何らかの関係があるでしょうか? 太陽と月は、KingとQueenだから関係があるなどという関連性は見ません。その他の関連性も、無いのです。
もっとも、この質問の整合性と妥当性の無さは、論理的に無意味な質問であることから分かります。
もともと、バラ色の夢のような質問なのです。
● 運命の人 What ?
いったい、運命の人というのは「誰」なのでしょうか?
『運命の人』と聞いて、それが『生まれる前から決められていた人』と考えている人にとっては、一生、そんな人は現れないでしょう。現われたとしている人は、それなりの努力の結果、『運命の人』に変えた人です。
大事な人とするには、2人で生活を重ねていくしかありません。多くの人が、結婚前夜に、『私が選んだこの人で良かったのだろうか?』と思い悩みます。でも、決めたらば、その人を運命の人にするしかないのです。あなたにとって、目の前に居るその人が最高の伴侶であり、運命の人となるのは、長い年月をかけて手間暇かけた結果、いずれそうなるのです。
まるで、コンビニエンスに、手軽に手に入れられる『運命の人』なんていません。占いの世界から、『運命の人』というキャッチコピーが出てきたとしても、そんな言葉に騙されてはいけません。信じられるのは、自分でしかないからです。目の前にある物、人、思想、などなど、どれも、運命のモノではないのです。手間暇かけて慣れ親しむことで、自分の生活の一部になり、運命の〇〇になるのです。
● 『ソウルメイト』 とか、『運命の人』 という造語
これらの言葉に、理由は分からないけれども違和感を覚える人は、真っすぐに生きている人です。
普通は、耳障りの良いこれらの言葉に聞きほれて、何の疑いもなく、そういう類の人が居るのだと信じ込んでしまいます。だいたい、どうやって証明するのでしょうか? 前生を自分で見てくるしかないではないですか。また、それが夢ではなく、明らかに前生だと、更に証明を重ねる必要があります。それをハッキリと確認するためには、修行するしかありません。お勧めできません。
西洋占星術は、かなり合理的にできていて、証明できないものは捨ててきました。
『運命の人』が、西洋占星術の中に記されているのか? 聞いたこともありません。
従って、占えません。しかし、・・・
● チャートの判断をしてみました。
『外国の霊能者に、「あなたの運命の人はこうこうこういう人だよ!」と予言された・・・』 いくら、外人の言うことを鵜呑みにするとしても、それでは、自分の考えを捨てています。思想は感化されてもいいと思います。でも、思想は、自分で考えてみて、そう思える、確かに、と信じるのだったら良いと思うのです。
チャートには、クライアントが相手を好きになるよと書かれています。
相手が好きになってくれる保証は、残念ながら、何もありません。
● 天職というものも決まっていると、言う人がいます。
私は、そんな馬鹿なと言います。これから先、今までに無かった仕事がたくさんたくさん出てきます。それらの新しい仕事に目を向けなくてもいいのですか? ひょっとしたら、その新しい仕事で生活ができるかもしれませんよ。そんな、新しい仕事は、占い師だって知らないのです。
過去の預言者だって、「空を飛ぶ物ができる」くらいは言い当てていますが、パイロットという職業ができる、キャビンアテンダントという職種ができるとは、言い当てていません。
もっともっと、多くの、素晴らしい職業が作られていくことでしょう。天職を決めてしまい、新しい道を閉ざしていまう愚は、行ってはいけません。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』