コンジャンクションは、昼の長さが同じような場所にある惑星同志のことを言います。
春と夏のある場所にも、昼の長さが同じになる場所があります。アンティッションは、そのような場所にある惑星同志を、コンジャンクションに似た働きをするとしました。例えば、下図で、木星のある場所と、水星のある場所が昼の長さが同じ位置です。したがって、アンティッションになります。
その場所を、見つけます。
四角いチャートでは分かりにくいので、下図に同じものを円形のチャートで載せておきます。
他にも、土星を観察すると、土星はアセンダントの中にそのアンティッションの場所を持つことになります。多少アセンダントのカスプの上に来ますが、そこもまぎれもなくアセンダント、1ハウスの中(5度ルール)です。
このチャートは、リリーの例題(385p)になっている恋愛のチャートです。カレントはアセンダント、そしてアセンダントのルーラーの太陽です。そして、相手の男性は7ハウス、そして7ハウスのルーラー土星です。その土星がアンティッションでアセンダントに入っていることは、男性がまだ彼女に未練を残していることを示します。リリーはことさらにこのことに言及しません。彼の眼目はこのチャートではコレクションだからです。
全ての惑星がアンティッションの場所を持つわけですが、このチャートには、先に説明した分かり易いアンティッションの例が2つ見られます。
1つは、惑星同士のアンティッションで、その角度差を多く見積もりません。
2つ目は、惑星がハウスに入っているだけのアンティッションです。この場合は、カスプに近い方がもちろん効果は高いのですが、角度差を広く取れます。
又、経験から、月のアンティッションは進行方向に多少角度差を多く見積もっても(多くと言っても、2度)効くように思います。月の動きが早いからでしょう。
下図は、アンティッションをどう工夫したら見つけやすくなるかの1例です。様々な方法があると思いますけれども、その一つの例に当たる、チャートをチーズの塊と見て、それを平行にスライスする方法を示しています。春分と秋分に線分を入れて、それに平行線を引いたそれぞれの円の外側がアンティッションの場所になります。
アンティッションは春分と秋分に線分を引くと、その線に平行にチャートを切った感覚で二か所が選び出されます。その前後1度をアンティッションの場所とします。
チャートを一つのうどん粉を捏ねて平たく拡げた状態と見立て、これからそれを切り分ける時に、平行に切り分けていく感じです。どこをその平行線の基準線にするかというと、春分と秋分の線分です。それが上の図です。
アンティッションとなる場所を選びだした後は、その場所をどう使うかにかかっていきます。前後1度とは?
チャートは様々な場面で階段状になっていると捉えた方が把握し易い事が多々あります。10.01度と10.59度は同じ階段状にあります。
1度というのは、10.01度から上の方へなら11.59度まで伸ばせるということです。角度差こそ1度を超えて1.58度ありますけれども、階段の差が1段なら構いません。1段と言った方が適切なことの様です。
10.59度から12.01度までは、角度差が1.02度しかありませんが、これをアンティッションしている場所とは捉えません。階段差が2段あるからです。
どのような意味を持つのか。
アンティッションの場所にある惑星は、本体と同じように効きます。ただし、オーブを持ちません。惑星達は、7つあって、まるで14個あるように登場しています。アンティッションの惑星は、影のように効きます。まるで、この世は幻影、影のように効きます。
生と死については、効きません。これは、とっても変です。
惑星達は、まさに、この世は幻影だと教えているようです。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』