リセプション



歴史的、推移


 

● リセプションの概念は、西洋占星術成立当時から存在していました。

 

  私たちが見ることのできる、まとまりのある西洋占星術の技術に付いての最古の本は、シドンのドロセウスの書いた「Carmen Astrologicum」という本です。まだ、リセプションという名前が付いていませんでした。次のように書かれているものが、その後、リセプションと名前が付いたものです。

 

  ドロセウス(1世紀の占星術師)はその中で、太陽と土星のコンジャンクション[つまり、コンバスト]が、それぞれのサインでひき起こす悪い事柄を書き連ねます。そして、太陽と土星のハウス[サイン]では、それが悪くならないと書きます。

 

  "If it is in the house of the Sun or in the house of Saturn, it indicates

   that his father will be noble and will not be discomforted・・・”

  『もし、それが太陽のハウス又は土星のハウスであるならば、それは、彼の

   父が不愉快なものではなく、高貴であることの兆候なのである。。。』

ドロセウス著 Carmen Astrologicum デイビッド・ピングリー訳 II-18 より

 

● その後、レトリウス(6~7世紀の占星術師)の「Compendium」の中に、次のような話が出てきます。

  『30.ジョイント・ポセッション』

(Joint Possession.[財産を持ちながら結合している])

 

  『ジョイント・ポセッションというのは、2つの惑星が一つのサイン内にあるか、

   ビーホールドしているかして、ドミサイルか、又は、イグザルテーションに

ある時のことである。

 

  ちょっと解りにくいですが、下に図(図-3[同じサイン内]と図-1[アスペクトしていて、一方のドミサイルに在る])がありますから、ご安心ください。

 

● コンジャンクションで、リセプションするという感覚を、1世紀の占星術師たちは言葉こそ持ちませんでしたが、掴んでいました。

 

  そして、6~7世紀には、今日リセプションと呼ぶ概念を、ジョイント・ポセッションと呼ぶようになっていたのです。

 

  それ以降の西洋占星術の本では、Reception と訳してもいいような概念として定着していきます。


● リセプションに対する再考を進める中でひじょうに参考にさせられたものは、星谷氏(友人です。現在表立った占星術の活動を休止しています)の記事以外に、デボラ・ホールディング女史による Astrological Jernal53_2号の記事でした。その記事を読んだのは20113月です。

 

  その中で、デボラ・ホールディング女史は、リリーの「Christian Astrology 」の317pを取り出します。

 

  ≪Contrary to all the rules of the ancients, I have ever found that when the lord of the seventh hath been in the ascendant, the querent hath loved most, and when the lord of the ascendant was in the seventh, the quesited loved best.

  ≪古代人のすべてのルールとは裏腹に、私はこれまでに7ハウスのルーラーがアセンダントにあればカレントの愛情が優り、アセンダントのルーラーが7ハウスに入っていれば相手の愛情が勝っていることをこれまでに見つけたことがある。≫ 

 

  今や理解したのですが、古代人のルールに反しているのでは無く、これこそ古代人のルールだったのです。リリーの文章は、とてもややこしい事がかなりあります。この記事を読んだ時に、317p を繰り返し読む事になります。そして、何のことか?  どういうことか?  分からなくなります。概略さえも飲み込めないのです。これだけでは、リセプションではありません。単なる、ディスポジションだけのことを書いています。しかし、ヒントがあったのです。


● リセプションはひじょうに分かりにくい概念です。しかし、このテクニックは非常に重要です。又、占星術を一段と高い敷居に上げてしまっているものかもしれません。時と場合によって、質問ごとによって内容を変えるから、そして、受ける(レシーブする)と、受け取られる(レシーブされる)がごっちゃになるからです。英国人が英語で読んでいてさえ間違える理由は多々あると思いますが、その本当の理由は私には分かりません。ミューチャル・リセプションの段階ではこの取り違えが起きません。ところがもう一つのリセプションの概念で起きます。

 

  ウィリアム・リリーはこのはなはだややこしい概念のリセプションを、ミューチャル・リセプションを定義したずっと後で、これまたはなはだややこしい議論であるアセンダントと8ハウスのルーラーの間にリセプションが生じていた場合の死の問題のことで説明をしています。

 

  C.A 112pで、彼はリセプションを次のように定義します。

 

RECEPTION.

Reception is when two Planets that are significators in any Question or matter are in each others dignity; as Sun in Aries, and Mars in Leo; here is reception of these two Planets by Houses; and certainly this is the strongest and best of all receptions. It may be by triplicity, term or face, or any essential dignity; as Venus in Aries, and Sun in Taurus; here is reception by triplicity, if the Question or Nativity be by day: so Venus in the 24. of Aries, and Mars in the 16. of Gemini; here is reception by term, Mars being in the terms of Venus, and she in his terms.

リセプションは、何らかの質問で、問題又は表示星である2つの惑星が個々の他のディグニティーにある時のことである。例えば、牡羊の太陽と、獅子の中の火星など。ここにサイン[ハウス]による2つの惑星のリセプションがある。そして、確かにこれは最も強く、全てのリセプションの中で最も良い。それはトリプリシティー、ターム、またはフェースまたはすべてのエッセンシャル・ディグニティーによっても、成り立つのである。牡羊の金星、そして牡牛の太陽のように、そこにはトリプリシティーによるリセプションがある。もし質問、又はネイタルが日中のものならば、牡羊の24度にある金星と、双子の16度にある火星は、ここでは火星は金星のタームにあり、そして彼女は彼のタームにあるので、タームのリセプションになる。

The use of this is much; for many times when as the effecting of a matter is denied by the Aspects, or when the significators have no Aspect to each other, or when it seems very doubtful what is promised by square or opposition of the significators, yet if mutual reception happen betwixt the principal significators, the thing is brought to passé, and that without any great trouble, and suddenly to the content of both parties.

(リセプション)の使用は頻繁である。多くの場合、物事に影響を与えるのはアスペクトを伴うディグニティーであり、あるいは、表示体が互いにアスペクトをしていなくても、あるいは、表示体達がスクエアや、オポジションで約束している事柄がとてもとても疑わしくても、それでも、もし、主たる表示体の間にミューチャル・リセプションがあれば、物事は完成される。それは、それほど大きなトラブルも無く、両人がそれぞれ突然満ち足りた状態となるのである


  オポジションだけは別物です。オポジションでミューチャル・リセプションが生じていても、旨く行った恋愛を見たことがありません。また、オポジションでミューチャル・リセプションがあったとしても、長く続かないと書かれているものを見たことがあります。ボナタスか、ザエルかどちらかだったと思いますが、分かれば出典を載せておきます。

 

● 別の概念とも思えるリセプションについて、C.A408-409pの文節でリリーは語ります。

 

"if the Planet to whom the Lord of the ascendant is in Conjunction with, or commits his disposition unto, be Lord of the 8th, then whether he be a good or an ill Planet, he kills (for every Planet must doe his office… "

もし、アセンダントのルーラーである惑星が、コンジャンクションで、あるいは8ハウスのルーラーをディスポジションで受託するならば、それが良い惑星であろうと悪い惑星であろうと、彼は殺す(全ての惑星はその任務を遂行するので… )

 

リリーはこの後、1ハウスのルーラーが8ハウスのルーラーに受け取られる(レシーブされる)ならば、この議論の死が否定されることを説明します。

 

"… because if the Lord of the 8th receive the Lord of the 1st, and the Lord of the 1st (receive) the Lord of the 8th, whether Fortune or Infortune, you may justly fear the Querent's death; but if the Lord of the 8th receive the Lord of the ascendant, so there be not mutual Reception, it hinders not."

それ故、もしも8ハウスのルーラーが1ハウスのルーラーをレシーブしているならば、そして、1ハウスのルーラーが8ハウスのルーラー(をレシーブしているならば)、吉星であろうと凶星であろうと、あなたは公正にカレントの死を恐れなければならない。しかし、8ハウスのルーラーがアセンダントのルーラーをレシーブしているなら、それがミューチャル・リセプションでなくても、妨げることをしない(生きる)。

 

  これら112pの説明と408~409pの文節はリセプションの概念にとってはなはだ重要でありながら、これだけを読んでいてもピンと来ないところが多々あります。

 

  これを確かめる為には歴史を遡るしかありません。先代の占星家たちがどう捉えていたのか…

 

  リセプションのことを調べていくと、ディスポジションという言葉で示される事柄が少なからず重要性を持ってくることが分かります。デボラ・ホールディング女史によると、この言葉は、ディスポジターや、ディスポーズするという言葉と同じ語源を持ちながら、占星術的には違った意味合いで使われているということです。

http://www.skyscript.co.uk/reception2.html


● リセプションを理解する上で、言葉の定義を捉え直しておくことは、必要不可欠であると思われます。英語を母国語にしている人達の中でも理解しがたい部分なので尚更です。dispose, そしてdispositor,などもできるだけ正確に捉えておく必要があるでしょう。

 

  一般的なdisposeの語義は、特定の順序で置くか、または置かれたで、他に、

  準備させる、cualify

  処置する、manage

  解決する、settle

  取り決める、dispose

  (~を)配置する、dispose

  遂げる、carry through

  したく思わせる、incline

  place or put in a particular order.

  物事の成り行きを定める

  make receptive or willing towards an action or attitude or belief,

  (特定の事柄を)行動または態度または信念で、受け入れるか、同調すること、

  他の人に与える、などとあります。

 

  dispositor は、占星術的な用語で、英英辞典にも調べた限りでは載っていませんでした。名詞が人物に与えられているので、処理する者・解決する者になります。私達の習ってきた感覚では、サインのルーラーが惑星を受け取っている状態に加えて、レシーバー、受け手として、(何かを)処理する者・解決する者となります。普通はサインのルーラーやイグザルテーションのルーラーと呼べばいいものを、dispositor とわざわざ呼んでいますが、こう呼ぶには、何か訳があるのでしょう。

 

  disposition の意味は、

  処分、disposal

  配置、arrangement

  配列、array

  意地、sprit, willpower

  心意気、

  気性、temperament

  性分、nature

  性癖、inclination

  気心、temper

  (神の)摂理、dispensation

  才分、肌合い、心立て、気立て、気風、心根、性情、等々の名詞です。それらは登場した人物の持つ雰囲気が、そこに居合わせる他の人達に影響力を与える、処置するような言葉が続いています。

 

  一般的な disposition の意味は、上記に掲げたような、その人の気質のような、雰囲気の中に含まれる性分のような、気性とか肌合いとか心意気で、他の人に影響を与えるもの感じられます。

 

  これに対して、占星術的な意味合いは、そのディスポジションにある惑星は、その影響を、他の惑星に押し付け、押し付けられた惑星がそれを処置する・履行する・要望に沿う等と表現しています。単に処理するわけではなく、自発的な意志を持って解決に向けて対処するような積極的関わり方です。

 

  接頭辞の dis- が、position 位置について、名詞の場合(逆、非、除く)となりますから、その位置に非ず、その場所に置かれた(そのもの[位置以外の事柄])です。多くの文脈からも置かれている何モノかに影響を与えることを表しているでしょう。つまり、disposition は、置かれた惑星にも、受け取った惑星にも影響力を与える言葉らしいのです。

 

  受け取っている惑星が dispositor(ディスポジター)、又は、receive しているreceiver(レシーバー) です。レシーブする惑星は、サインのルーラーだけではありません。イグザルテーションのルーラーも受け取ります。また、トリプリシティー、ターム、フェースのディグニティーにある惑星達も受け取りますが、単独では弱く、弱いものが二個あれば受け取るとされます。例えば、魚のサインの27度に惑星が来たときの火星等です。ここで火星は、トリプリシティーとフェースによって受け取ります。

 

  これらの事柄から、リセプションの意味は、

 

  レシーブする惑星が、レシーブされた惑星に権利を与える

  レシーブする惑星が、レシーブされた惑星に解決策を与える

  レシーブする惑星が、レシーブされた惑星を保護する

  レシーブする惑星が、レシーブされた惑星に要求したものを与える

  などと考えられます。

  また、リセプションを説明する文章の中には、これらの他に、receive, receiver, be receivedなどが比較的よく使われている言葉です。アスペクトだけでなく、ある段階からはリセプションの考察をすることで、更にチャートが深く読めてきます。

 

  始めのうちは、ミューチャル・リセプションという概念が頭にこびりついていて、なかなか外れないこともあるでしょう。注意して進めないと、把握するのに回り道をしてしまうこともあると思います。

 

● リセプションは、惑星Aが惑星Bに、又は、惑星Bが惑星Aにリセプションされるには、アスペクトやコンジャンクションを前提としています。惑星Aを軽い惑星とします。

 

惑星Aが、惑星Bのディグニティーを持つ場所に居るか、

惑星Bが、惑星Aのディグニティーを持つ場所にいるか、

 

  このどちらかであれば成立します。

 

  重い惑星だけが、受け取るのか? ひじょうに疑問でした。

でも、そうではありません。リセプションが分かりにくいので、図にしてみました。

 

  アブ・マシャーの説明です。The Abbreviation of the Introduction to Astrology 3章の句52

  1.

図-1.  

あるいは、

  2.

図-2.

 

  この両方がリセプションであると書かれています。ちょっと疑問点が解けて安心しています。始めのうちは、1.だけがリセプションかと考えていました。2.も、れっきとしたリセプションなのです。1.はお客が店員を探し当てる状態。2.は店員がお客に近付く状態です。どちらも、相手の要求に応えようとします。また、客となる人は、求める品があるはずだと期待をしてそのサイン(店)に入ってきています。

 

  これで少しは理解ができるかもしれません。書いているものを読んでいてもいま一つピンと来ませんが、図にすると一目瞭然です。もう一度、同じことを説明します。

  まず、惑星Aを軽い惑星だとします。惑星Bを重い惑星とします。

 

  1.の図は、惑星Aが惑星Bにアスペクトするとします。惑星Aの入っているサインは、惑星Bがディスポジターとなるサインです。惑星Aは自分のディスポジションした(入っている)サインのルーラー惑星B(ディスポジター)にアスペクトで探しに行っています。これで、惑星Aは自分がこの場所でしたかったことを、惑星Bに聞き届けられる事を確信します。リセプションです。惑星Bは、惑星Aの希望を聞き入れようとします。

 

  2.の図は、惑星Aのルールするサインに入って来た惑星Bに対して、惑星Aがアスペクトをしに行っています。どのような気持が各惑星に働くのかというと、惑星Aは、自分のサインにお客が来たことを察知します。惑星Bは、ディスポジションした(入っている)サインのルーラーを探し出して自分の要求を聞き届けてもらいたいと思っています。惑星Aは、お客を見付け近付きます(アプライのアスペクト)。惑星Aは、自分自身が支配する場所に入っている惑星Bの意向を受け入れる事になります。リセプションです。この時、惑星Bも、惑星Aの場所にディスポジションしているということは、惑星Aの何かを気にいっています。

 

  3.これがコンジャンクションで起きたらどうなるのでしょう。

初期のリセプション(歓迎)は、下記のコンジャンクションで起きることを確信して、古代の占星家がテキストに載せました。(デボラ・ホールディング女史の上記テキストから)

 

  惑星Bを太陽だと思って見て下さい。B’を獅子のサインだと考えて下さい。

コンバストではなく、リセプションになってしまいます。

図-3.

 

  太陽は、自分自身のサインに入ってきた惑星Aを歓迎(リセプション)するのです。これでは、コンバストになりません。太陽が惑星を『コンバストしない場合』があり得るのです。

 

  下記の例もそうなります。

図-4.

 

  今度も、惑星Bが太陽です。太陽の要求を惑星Aが叶えようと思って太陽に近づいています。それは、その場所が惑星Aのルールする場所だからです。お客様となる太陽の要求を、精一杯叶えようとします。

 

  古代の本には、「土星が水瓶の中で太陽とコンジャンクションしても、悪くはなく、獅子のサインでコンジャンクションしても、悪くは無い」。という表現で載っています。リセプションになるからです。

 

  考えてみると、惑星Aが火星でも木星でも、それぞれのルールするサインでは、太陽はコンバストになりません。又、獅子のサインに入っているどのような惑星に対しても、太陽は大いなる歓待をするわけですからリセプションになっていきます。コンバストでは無く、明らかにリセプションです。

 


  さて、今やリセプションの理解が進んだと思います。

 

  「アセンダントのルーラーが7ハウスに入っていれば相手の愛情が勝っていることをこれまでに見付けた ・・・ 」こう述べたリリーの一節を確かめられるチャートがここにあります。

 

  下記の惑星Aと、惑星Bに、アスペクトなりコンジャンクションは無いと考えて下さい。しかし・・・

図-5.

 

  B' を7ハウスだと考えて下さい。アセンダントのルーラー A が、好きな人 B のサインに入っているだけで、惑星 A と惑星 B の間には、何も関係が無くてもリリーは惑星 Bで示されている人の愛が優っているのを見つけたと書いているのです。

 

  私は今やこれがどういう事かを知る事となりましたが、始めて目に触れた時は本当に解りませんでした。片や、アセンダントのルーラー A が7ハウスに飛び込んでいるということは、カレントが彼/彼女を好きだから飛び込んでいるのだ!  そういう一面も確かにありますが、がストーカーであっても、こうなってしまうことがあります。ですから、レシーブしている惑星で示された側の人物の、愛が勝っていることに間違いありません。

 

  ここに、百文字占断に寄せられた、愛情に溢れた7ハウスで示される旦那様によって、再び指輪を買ってもらえたという例を掲げておきます。質問は、探し物に対して投げかけられました。

 

  質問は:  主人に買ってもらった指輪をなくしてしまいました。

 

高価ではないのですが、かわいくてとても気にいっていました。ある日身につけようと引出しをあけたらいつもの定位置にない!!

最後に指輪を身につけていたのは子供と遊園地に行った時だと思います。

ちょっと大き目の指輪だったので遊具に乗っていて落としたのかなと自分では思っています。問い合わせもしたのですがそういった落し物はありませんでした。

もう、出てこないのでしょうか。なくしてからはもう半年(なくしたと気付いたのは4月中旬でした)も経ってしまいました。よろしくお願い致します。

 

20031016 12:22pm  JST 137.01E, 36.74N ASC12.00 山羊です。

 

図-6. チャート

 

  指輪は、2ハウスのルーラーか4ハウスのルーラーによって示されます。おそらく、4ハウスのルーラーである金星によって示されているのでしょう。10ハウスにあるので見つかるはずなのですが、見つからなかったとご連絡がありました。

 

  アセンダントのルーラーの土星が7ハウスに入っています。クライアントは「指輪を失くした事を旦那様に言えない」と後のメールで書いてきています。でも、私は「ご主人は、又新しいものを買ってくれるから、大丈夫ですよ」と答えています。

 

  私はまだこの頃経験も浅く、深い思いは持っていませんでした。土星があまりにも7ハウスのカスプに近いことをどうしても考慮に入れたかったのです。彼女が強く夫を愛しているなら、夫もそれに応えているはずであるという理由でした。でも、リリーはそう書いていません。もともと、7ハウスにアセンダントのルーラーが入っているなら、7ハウスで示される人物の方が、カレントを愛する度合いが優っていると書いています。実に明快です。

 

  又、実際にその後のメールでそれは確かめられる事になります。

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「主人になくした事を思い切って言った所、

『また買ってやるよ!』

とあっさりと言ってくれました。

私は

『なくすなんてもうお前には買ってやらない』

と言われるとばかり思っていました。

出てこないのは残念ですが、何だか幸せな気分になりました。

占断していただいて良かったです。ありがとうございました。」

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  このディスポジションのことを理解していたら、もっと確信に満ちた判断をできたことでしょう。