12ハウスは土星がジョイとなるハウスです。又、5ハウスでも支配星となっている金星が、再び支配するハウスです。
いったい5ハウスと12ハウスにどのような関連性があるのでしょうか。これを探る為に、私達は惑星のキャラクターを知らなくてはいけません。金星のマークは〇と+が重なっています。〇は魂で、+は物質です。半弧 )は、心を表します。土星は+が上で、)が下になっています。7つの惑星のキャラクターは、これら、〇、)、+、の組み合わせで作られています。
下に図を出しておきます。ハウスの説明の始めのページに出ているものと同じです。
魂〇が物質+を支配している金星は、物を上手にコントロールし愛を表現するために使います。
物質+によって心 )を支配している土星は、悪魔、サターンの名の通り、人間の心が物質に支配されている状態です。悪魔が自分たちの世界に人間を引きずり込むやり方に見事に屈した人間は、物に心を奪われるというわけです。
楽しみというのは様々な物が仲介してやってくることも事実です。それは5ハウスで起きます。楽しみの程度は、魂が喜ぶ程度でいいのです。それを超えた喜び?を求めることは、単に物質に支配されることです。だからこそ、12ハウスが存在し、そこへ閉じ込められます。12ハウスは制限を受けるハウスです。
12ハウスは、喜びを過度に求めた結果、陥るハウスとなります。だからこそ金星に支配され、土星がジョイになっています。
マニリウスの書くアストロノミカでは、6ハウスと12ハウスの区別がハッキリと分かりません。中世ヨーロッパ西洋占星術では、12ハウスは自分自身の堕落と関係のあるハウスとし、一方、6ハウスを他の人との厄介事と関係があると捉えています。
12ハウスで土星がジョイになっているのは、ここでの土星の働きに注目しなければいけないわけです。私達が喜び過ぎを戒めるために、土星の持つ制限という働きを頼ります。
粗食で病気になることはありませんが、美食で体を壊す例は後をたちません。なぜお酒を飲み過ぎると、正気の時はいけないと分かっている飲酒運転をしてしまうのでしょう。
時々、西洋占星術師自身が12ハウスの誘惑を受けます。
私達がある質問において、関連するハウスから良い結果が得られないときに、その質問を、「私の願望はかないますか?」 と11ハウスの質問として読み替えたい誘惑に乗ることは、出版されている本の中にも散見されます。これは、私達占星術を学ぶ学生が陥り易い間違いです。学生たちは、11ハウス「希望や願望」のハウスを、あらゆる質問へと無理に結び付ける誘惑に屈するのです。
それが可能なのであれば、「これを実行することは、私の人生をどれくらい難しいものにしますか?」という質問に結び付けることも可能なはずです。12ハウスは「自己堕落」のハウスです。
あらゆる質問を、「希望や願望のハウス」に結び付けることも、同様に、「自己堕落のハウス」に結び付けることも、両方とも無用のことです。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』