火 星



● Mars

  ホット&ドライ、夜の惑星、男性格。

 

  火星が、土星と並んで悪意を持つ惑星と呼ばれるのは、それが良いと分かっていても、痛みが伴うことが多い事を為さなければいけないからです。

 

  土星も同じ意味で、制限をすれば良いと分かることです。そう言っていながら、なかなかできないことを実行しなくてはいけないことを押し付けてきます。土星は我々を束縛する罪の負担、あるいは罪そのものを抑制し、そこから我々を解放する惑星です。土星が使う手段は我慢と抑制、禁欲と制限です。

 

  火星、土星、両者とも、示される手段の選択権は我々が握っています。6ハウスと12ハウスでそれぞれがそのジョイ[1]にある場合、両惑星ともその最良の状態で彼らの機能を容易に発揮することができるでしょう。彼らはこれら不運だと言われる第6ハウスと第12ハウスのジョイとして存在しています。これを、上記のように捉えるならば凶星としてのみ捉えることは的を外れています。火星(除去)と土星(抑制)は、我々の心が落ち着いて物事を見定められない場合の、最も有用な道具なのです。

 

  火星が、天からのエネルギーを充分に与えられていないなら、上手にナイフを扱えない状態[2]、自分を傷つけてしまうかもしれないマレフィックな惑星となって登場しているようなものです。



  [1] ジョイとは、その惑星の支配するハウスではないが、そのハウスに入っているとその惑星が自ずと相応しい行いをしてしまい、比喩的に自らが嬉しい気持ちになるような意味合いである。サインでのディグニティーのイグザルテーションに似ている。

 

  [2]火星がジョイとなるハウスは、6ハウスです。火星はその場所で切ることを知らせます。断ち切るとか、離れるとか、選別するとか、断捨離の星です。

 

  例えば、恋愛の質問でASCのロードが6ハウスにあるのは、相手の12ハウスに当たるので、相手を誘惑している形です。本来、このような関係は断ち切った方が良いのですが、それでも、生活上必要な場合も時にはあります。特に、相手の人から援助を受けている場合には、どうしても切れない場合もあります。それを知った上で、いつかは、普通の生活に戻れるようにアドバイスしてください。