西洋占星術スクールの概要



 

● まず知って頂きたいのは、西洋占星術の歴史的な変遷です。詳しくはなくても、何故、歴史的な概略が必要かが分かってきますし分かって頂きたいのです。物を大切にする要素の1つは、その歴史を知ることです。

 

理由は、西洋占星術が、作り替えられてきた変貌の様子を、歴史を通して理解することができるからです。

※ 1 アスペクトでさえも、連綿と伝えられてきた緻密な考え方が忘れ去られようとしています。歴史から、元のものに近い形を知ることができます。 

 

● 惑星サインハウス恒星に付いて、歴史的な変遷を伴わせて学べます。

惑星の意味は、神話に基くものが多くあります。例えば、何故、土星が皮膚という意味を持つのか、そんなことがハッキリしていきます。

 

● 当スクールでは、判断の要となる、3つの事柄を伝えています。

リセプションディグニティーアスペクトです。特に、リセプションに付いては、欧米の先生に習うことに匹敵する内容を誇っています。よく練られた例題に巡り会わないと、決して把握していけません。

 


チャートに描かれる三大要素

------------------------------------------------

惑星  ハウス  サイン

------------------------------------------------

● チャートの構成要素で重要なものは、惑星、ハウス、サインです。

 

● 惑星を理解することで、ハウスが把握できます。ハウスの意味は、サインではなく、
  惑星の意味で組み立てられています。理解は、神話レベルから必要です。

 

● 理論ではない

西洋占星術は垂示思想の一種であり、何か物理的な力が作用しているものではありません。例えば、♎のサインには調和・バランスという意味が付いていますが、その支配星である金星には、一切、調和・バランスという意味はありません。何故なら、金星の原型であるアフロディーテは、多くの浮名を流した女神だからです。ヘパイストスという夫がありながら、言い寄る神々、人間のアドニスなどとも情交を重ねました。

  

アフロディーテに夫を寝取られて嫉妬する多くの女神たち。そんな金星が、他の女神と折り合いが良いわけはありません。金星は、調和・バランスを欠く最たる惑星なのです。

  

● ハウスは、番号順に組み立てられているわけではありません。ハウスは、太陽が東から昇り西へ沈んでいくプライマリー・モーション(右回り)で、ほぼ構成されています。モダンでは、サインと同じ(左回り)にしていますが、全く違います。

 

その為にも、歴史的な俯瞰が必要となります。

 

● サインは、今日、多用されるようになってきました。なぜなのか、その理由の把握とともに、サインの明確な使い方を学んでいけます。サインは、太陽の移動により形作られていますから、明らかに左回り(セカンダリー・モーション)です。そこは、モダンと同じです。が、

 

サインの解釈は、カーディナル(活動宮)、フィクスト(不動宮)、ミュータブル(変動宮)といった基本的なものを多用し、エレメントで分けた、火・地・風・水も使われてきました。男性格、女性格、という区分も意外に多用されてきました。しかし、固有の意味は、それほど用いてきませんでした。

 

「♈のサインは、クリエイティブ(想像的)である」、「♉のサインは、物質主義」などの意味は無かったのです。それらは、創作されたのものです。そのようなものを見抜く為に、歴史的な俯瞰が必要になると言っています。誰もが創造的ですし、社会的な教育によって、今や、大勢の人たちが物質主義です。

 

サイン、惑星、ハウスは、構成要素です。構成要素にそれほど詳細な意味が宿っているわけはありません。もっと、大雑把です。その後の判断の展開に、支障をきたしてしまいます。スタート地点です。

 

これに加わっていくのは、アンギュラリーティーと呼ばれるものや、エレメント、リセプションを伴わせたアスペクトであり、ディグニティーなのです。この時点ではまだ、惑星の特定の意味や、ハウスの特定の意味、サインの特定の意味は使われ始めません。

 


判断の三大要素

------------------------------------------------

リセプション ディグニティー アスペクト

------------------------------------------------

 3つの『判断のかなめ』は、リセプション、ディグニティー、アスペクトです。記憶に頼るような、サインの意味ではありません。当スクールでは、これらをキッチリと伝えています。

 

● 西洋占星術の判断の要(かなめ)は、リセプション、ディグニティー、アスペクトありながら、これらの全てを伝えている日本国内の占星術スクールは稀です。medieval [メディーバル(ヨーロッパ中世時代)]な解釈に基づくものを伝えているスクールは、更に少なくなります。英語圏を含めれば、幾つも有ります。

 

どのスクールでも、アスペクトディグニティに付いては、かなり教えられる事が多くなってきました。リセプションに付いては、ほとんど見当たりません。テキストの中には、単なるアスペクトが、リセプションを考慮するなどと、混同して記述されているものさえあります。

 

外国語で、外国の先生に習われても、リセプションにまで踏み込んだ先生はそれほど多くはありません。英語圏でありながら、間違えて伝えているスクールさえあります。リセプションそのものを知らないわけですから、チャンとしたスクールを選べと言われても、できませんネ。教科書をザッと見て選ぶ方法は、 「大学の占星術サークルの方々へ」で述べました。

 

● リセプショは、真逆に理解させることも可能なものです。

実際に、英文のものを英文で読める人たちが、真逆に理解していることもあります。

  

● 私の伝えているものも、生徒さん方には自分で確かめてみるように伝えています。

 

確かめるといっても、ネイタルで確かめるには何十年も掛ってしまいます。ですから、ホラリー占星術で確かめるように伝えています。ホラリー占星術なら、直ぐに確かめることができます。金銭を表す惑星が木星であることも、ホラリー占星術ならば納得ができます。ネイタルでは、鵜呑みにしたまま、金銭・財産を表すのはいつまでも金星のままで構いません。それくらい、ネイタル占星術は、曖昧な判断でもいいのです。それは、多少の違いはあるにしても、古典でも同じです。

 

● ディグニティーに付いても、エッセンシャル・ディグニティーアクシデンタル・ディグニティーがあります。これらの理解は相当深まってきたので、かなりの先生方が教えていらっしゃいます。

  

● アスペクトは、分度器で計るようなものではありません。

 

ベースに、サイン同士のアスペクトがあり、その上に、角度による角度に従ったアスペクトが、完成するのか完成しないのかの観察が必要となります。時には、角度によるアスペクトが完成されるように思えて、近付いてくる惑星が逆行をしてしまい、角度によるアスペクトを完成しないこともあります。下記のチャートがそうです。 

 

 

上記のチャートの金星は、どの惑星にも邪魔をされずに木星に近付き、アスペクトを完成するかのように目に映ります。しかし、10月6日には留になり、その後逆行をして、火星に追い付かれます。木星とのアスペクトは、完成しません。これを、金星と木星がコンジャンクションしていると言えるでしょうか?

 

● また、アスペクトには、近付いていく惑星が、その力や能力や持ち運んでいるものを、コンタクトした惑星に押し付ける〔押印〕する役割があります。一般には、これを伝えられていません。

 

もちろん、コンバストになるならないで、押印できる ⇔ できないのキワドイ状況もああります。それは、どのような時なのか、それを知らなければ全ての状況で判断ができることにはなりません。このような状況が出てきたチャートは、判断ができないものとして破棄するなどの、乱暴な考え方をする占星術師も登場してきました。 

 


占星術用語の定義

------------------------------------------------

西洋占星術の用語

------------------------------------------------

● 言葉の定義

 

西洋占星術を学ぶためには、その用語を把握するところからスタートします。

 

● 歴史を通して語り継がれた意味を 伝えています

 

それほど、微に入り際に渡るような歴史ではありません。ざっくりとした、しかし、西洋占星術を学ぶために押さえておいた方が良いと思われる歴史を伝えています。

 

「西洋占星術」は、約2,500年前に「星占い」や「空を見る占い」と区別される形で始まりました。このことはギリシャの哲学者の意見を学ぶというよりも、聞けば分かります。そして文化にもまれながら今日まで伝わってきたのです。途中で、様々な変化をとげてきています。それらも含めて知識に蓄えていかないと、途中で発明されたり、入れ込まれたり、想像されたりした技術を見抜けなくなります。このことは何も、現代だけに限られたことでは無かったのです。

 

● 言葉の定義について 

 

西洋占星術を行う場合、始めに言葉を定義する事が必要があります。つまり「惑星」とは何か、定義があってしかるべきものです。西洋占星術で云う「惑星」とは、天球構造の一層を担っている必要があります。また、曜日を支配し時間の一端を支配しているものが「惑星」と呼ばれます。天文学での太陽は恒星であり、月は地球の衛星です。それらは天文学の定義であり、占星術の定義ではありません。占星術では、太陽も月も惑星と呼び、曜日が与えられ、時間の一端を支配しています。占星術では、太陽と月を「ルミナリー、合わせてルミナリーズ」と呼びます。惑星です。

 

天文学的には惑星と呼ばれていても、西洋占星術の世界では「どうして惑星と呼べるのか?」この定義をはっきりさせずに使う人が後を絶ちません。そんな事柄も、ちゃんとお伝えしています。

 


講座の進め方

------------------------------------------------

講座の方法

------------------------------------------------

● 講座は現在、スカイプでの講座が中心です。互いに移動しなくてもよく、全世界どこからでも通信で学ぶ事ができるので重宝しています。ぜひ、スカイプ講座をお申込みください。中国国内では、スカイプが規制されていて使えません。香港でも使えなくなりました。

 

対面でもお伝えしていますが、どんどんそのような時間を取るのが難しくなってきています。対面での講座は、当事務所(富山県高岡市)まで来てもらわないといけません。近くに新幹線の駅はありますけれども、随分と交通費がかかってしまいます。

 

● 対面での授業は理想的です。対面でしか伝わらないものがあるからですが、

 

スカイプ講座でも工夫すれば、勉強して頂ければ伝えることは可能です。パワーポイントも使っています。

 

通信講座ではどうしても伝わらないもの、誤解をしてしまうこともあります。そういう意味で、教室で相対して伝えることは必要だと感じていますが、かなり改善されてきました。特に、アンティッションとか歳差運動は言葉で伝わりにくい部分であります。これは、図や模型を使うと直ぐに分かるのですが… 模型を持って、全国を行脚する必要もなかろうと思います。

 

私の言語能力が不足しているのだと思います。でも、常識も交えて判断をする占星術では、その常識の部分に霊的な能力を入れ込む必要はありません。それを防ぐためにも、一部、卒業してからでも、対面でお伝えしたい事があります。外国に住む生徒さんの場合、それが叶わないこともああります。

 


確かめる機会があれば、確かめるように

 

● 私は生徒さんがたに、鵜呑みにしないようにと始めに伝えています。自分で確かめることができるのなら確かめなさいと。


「かく伝えられている…」、私も確かめました。あなたも確かめて自分のものにするしかないのですと。

 

西洋占星術はそうやって伝えられてきたものです。遠い昔、サエル(Sahl)という西洋占星術家がいました。彼の書いた本は深遠だったとボナタスは書きます。そのサエルの書いている跡を、ボナタスは確かめながら追っています。そして、たまには、リリーと同じように、確かめることができなかったと書きます。

 

そういう文章を読むととても面白い。鵜呑みにしていないのです。 

どうやって確かめたのでしょうか?

ボナタスの確かめ方は、実占に頼る確かめ方です。 

サエルの残した方法も、占星術的に妥当な方法で確かめた法則でした。

 

例えば、サインのフェースに当たる部分が(書かれている箇所が)、盗賊の容姿になっています。男女別や容姿を表すとサエルが書きます。それをボナタスは、それで充分だと書いています。充分とは?  

※ Bonatti on Horary Chapter 18: The figure of thief、Benjamin N.Dykes 訳

 

彼らは実占に頼っていたのです。

 


● 占星術的な意味だけを頼っても判断が可能ですが、それで法則に沿うことも多々あるし、隠れた法則のようなものを垣間見ることもあります。法則に沿うことで、占断はより確かなものになっていきます。

 

隠れた法則を導き出せる所まで、私は生徒さん方をひっぱて行くつもりで教えています。まだまだ、気付かれていない法則は多々あります。些細で仔細な法則ですが、それに気付くことは何よりの喜びです。それらは、新たな法則というわけではありません。書かれていることの示され方が微妙だというだけです。

 

例えば、私は「月のボイド」という概念を『愛のホラリー占星術』の中で、これまでの歴代の占星術家達が書き尽くせなかったところまで詳細に明らかにしたつもりです。把握してしまえば何ということもないのですが、それでも「月のボイド」は、まだ書き足りず、教室だけで伝えている法則が残っています。

 

支払い方法のページ 

講座へのお申込みのページ ← クリックして!

※1 正式なであり、正しいではありません。歴史上、アスペクトが捉えられてきた概念を示したいわけです。しかしながら、ここでは全てを記していませんから、捉えるのが難しいと思います。