● セクト (sect、又は、secta)のルーラー
レトリウスの書いた、Compendium に出てくる。昼生まれの人は、太陽、木星、土星が、セクトのルーラーです。夜生まれの人なら、金星、月、火星が、セクトのルーラーです。ハルブやヘイズより、より古い見解で、ようやく蘇ってきた概念です。
セクトは、「セクト」の項目を参照のこと。
● ハルブ (halb、正確な綴りではありません)
アル・ビールーニーの見解では、『占星術教程の書』 のNo.496で、
「ハルブの惑星は、昼の惑星なら、昼間地平線上に在り、夜地平線下にあること。夜の惑星なら、夜に地平線上に在り、昼地平線下にあること。これをハルブにあると記述する」と書いています。
アル・ビールーニーは、この見解をアブー・マシャー(マシャ・ア・ラーの高弟)から持ってきています。
ウィリアム・リリーはこれを間違って記述し、
「ハルブの惑星は、太陽、木星、土星が昼に地平線上にあり、夜の惑星が夜に地平線下にあることが良いとされる」と、書いて混乱をさせます。こういう時には、彼より、より古い文献を頼るしかありません。リリーは、時々、私たちを混乱させますが、そほ方が勉強が進むのでいいのです。
したがって、ハルブは、
昼の惑星(太陽、木星、土星)ならば、昼に地平線上にあること。夜に地平線下にあること。
夜の惑星(月、金星、火星)ならば、夜に地平線上にあること。昼に地平線下にあること。
となります。 見解はひじょうに「セクト」と似ていますが異なります。
● ヘイズ (hayyz、又は、ドメインdomain)
上記のハルブの条件に当てはまっていることが必要で、その上、男性格の惑星なら、男性格のサイン(牡羊、双子、獅子、天秤、射手、水瓶のサイン)に入っていること。
そして、女性格の惑星なら、女性格のサイン(牡牛、蟹、乙女、蠍、山羊、魚のサイン)に入っていることでヘイズになります。
水星は、オリエンタルにあるなら男性格の惑星で、昼の惑星です。オキシデンタルにあるなら、女性格の惑星で夜の惑星になります。したがって、上記のチャートの全ての惑星はハルブです。
ヘイズで無い惑星が3つあります。探してみてください。答えは、ちょっと下にあります。
Domain(ドメイン)
所有地、管理領域、領地、本業、専門分野
セクトの惑星とは、単に昼と夜の惑星を区分するだけです。しかし、これがネイタル・チャートの取り掛かりになります。
アラビアで観察された概念で、惑星を一種のアクシデンタルな強さのもとに置きます。
ハルブの惑星がさらにジェンダーに基づいても自らのジェンダーに置かれている惑星です。アラビアの占星術師は、この惑星は自分を律することができ、節制できる強さを持つとしました。
この状態に無ければ、鍛えられるとか、清潔にされるとかでは無い状態、だらしのない不潔なものを連想させる、デトリメントに近いものとなるとしました。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』