西洋占星術への各種の提言のページでは、西洋占星術に対する様々な気付きがあった時に、あまり深く考えずに思い付いたら書いているものです。ちょっとうるさいことを書いています。
ひょっとしたら、自分の学んできたものが間違っているのではと思う方にピッタリのページです。ぜひ、お読みください。
もちろん、このページも批判的に読んで頂けると幸いです。
西洋占星術というのは、それほど大昔から存在しているわけではありません。時には天啓によって作られたという説もありますが、それはちょっと胡散臭い話です。
西洋占星術では、4つのエレメントというものが使われています。このエレメント(※注1)は、ギリシャ哲学者の一人、エンペドクロスという人が、それまで3つであったものを4つにしました。したがって、エレメントが4つにそろえられた以前に遡ることはできません。少なくとも「西洋占星術」は、エレメントが4つになって以降に「星占い」と袂を分かたったのです。
それは、今から約2400年前のことです。
そういう大事な西洋占星術に固有のエレメントを、全く無視する人達がいらっしゃいます。西洋占星術以前の星占いに戻ろうとでもいうのでしょうか?
エレメントを使わないということは西洋占星術では無いのです。何故なら、「西洋占星術」が「星占い」と袂を別ったのは、4つのエレメントを持ったからです。
更に、その要素に「サイン」が加わっています。それ以前までの星占いは、「星座」を主としたものでした。西洋占星術を学びながら、「サイン」と「星座」の区別が付かない人の多いのは何故でしょうか?
エレメントやサインという要素の他に、「カルディアン・オーダー」という惑星の並び順が加えられています。それは、土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月、という現代天文学とは全く相入れない惑星の並び方です。それで矛盾を生じません。
さて、ハウスは? おそらく、西洋占星術が産声を上げた当時は無かったのでしょう。そういう証拠(16ハウスシステムの現存)もあります。それが12になったのは、いつ頃か、様々な研究がなされていますが、既に見つかっているのかもしれませんが、私はまだ知りません。旧約聖書の12部族と何か関係があるように思います。
1世紀に書かれたマルクス・マニリウスの本には出てきますから、起源前1世紀には存在していたと思われます。そうでないと、あれほど豊かな抒情詩は書けなかったと思います。
エレメントは惑星に適用され、そして、サインに適用されています。
エレメントは、
ハウスに適用されていません。恒星に適用されていません。
星座に適用されていません。アスペクトにも、ディグニティーにも適用されていません。
エレメントは、おおまかに惑星とサインにだけ適用され、その後、誰も弄っていないかのように増えていないのです。12ハウスを、ホットでドライなどとすれば、とても面白くなっていたかもしれません。ハウスは逆回りに出来上がっているのです。っと、余計な事を話しました。
今日、一部の人達は、まだ、エレメントの有るサインにエレメントの無い惑星を当てはめて、よしとしています。それは、どのような理由から、よし、とするのか尋ねてみたい気がします。
エレメントは、判断の際にとても重要になることがよくあります。
惑星がエレメントを持つからこそ成り立つ判断もあるからです。
もし、アセンダントのルーラーが、エレメントを持たない惑星だとしたら、アセンダントのルーラーと入っているサインの性質(エレメント)の食い違いを判断できません。
別の要素で判断をすることになります。それを知った占星家の中には、天王星や海王星にエレメントを与えている人も居ます。でも、なぜそのエレメントが与えられたのか見事な説明を読んだ事もありませんし、ほとんど伝わっていません。
エレメントは判断を助けてくれる、とてもありがたい要素です。10ハウスのルーラーを観察するだけで、あるエレメントの過不足が判断できる事もあります。10ハウスのルーラーが、その時海王星であれば? エレメントの判断が着きません。
歴史的には、エレメントを把握する判断方法は比較的新しいものです。
カーディナル、フィクスト、ミュータブルの把握の方が古いものです。
決着の要らないチャートも、もちろん有っても良いと思います。特に判断を付けなくても良い事柄なら。例えば、人の性格を読むような場合には、まったく決着など必要としないでしょう。
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