西洋占星術の 3ハウス



● 3ハウス

 

  3ハウスには、昔、Goddess(女神)という名前が付けられていました。

 

  モダンな捉え方、父親が10ハウスで母親が4ハウスの方が妥当だと素直に思う・・・  という考え方と同様に、古代から続く西洋占星術上の考察の中にも、太陽を昼の部分に、そして、月を夜の部分に与えていたものが確かにあります。しかし、母親が10ハウス、父親は4ハウスです。

 

  9ハウスにはHouse of Godという名前が付けられ、太陽のハウスとして祀られていたのです。それらは、太陽を9ハウスに、月を3ハウスに置くジョイという捉え方に残っています。このジョイという考え方を外してハウスを捉えることはできません。

 

  『太陽は父親らしく思えるし、昼の場所に相応しく思える。』この考え方はとても素直で健全なものです。太陽が9ハウスでジョイとなり、月が3ハウスでジョイになる等というものです。伝統的な占星術において、これがジョイという概念に含まれていて、これをまるで基礎にして、多くのハウスの意味が形作られています。

 

  古代の占星術師たちは、太陽の一番強くなる場所を10ハウスとは見做さず、9ハウスであると捉えていました。丁度天頂にある時よりも、それを過ぎてから暑くなる事を知っていたからです。それゆえ、9ハウスにある時の太陽を、古代の占星術の熟達者たちは、真実に強いと見立てたのです。ですから、9ハウスに太陽を当てはめて、その妃となる月にオポジションの3ハウスを当てはめたのです。

 

  太陽は、神の象徴です。月は、女神の象徴です。占星術では、古来、ミッド・ヘブン(M.C)を決して最高の場所であると捉えていませんでした。何故なら、そこは頂点であり、達すれば後は下るだけだからです。頂点は、恒星レグルス(獅子の心臓、王の中の王)と関係付けられていて、古代の人達はM.Cを王の居場所としたのです。王は、王権を握った時から、いつとも知れず奪われるかもしれない権力の座に座りながら、不安に襲われます。それがM.Cです。

 

  一方、象徴的な神である太陽は、そのような不安を持ちません。真理に到達しているからです。この意味でも太陽は10ハウスでは無く、ジョイとして9ハウスを与えられているのです。したがって、9ハウスを真理のハウスと呼び、3ハウスは、その真理に到達すべく、日々繰り返し行っている事柄、とりもなおさず、それが心の訓練となり、占星術的な人生の旅、9ハウスと結び付いていきます。


  占星術ではハウスがとても大事だと言われます。これまで多くの占星術の書物でハウスの重要な部分が時計回りに組み立てられているにもかかわらず、ハウスに番号付けされた通りの逆時計回りで説明されてきました。それが原因でハウスが番号順に組み立てられているのだと誤解され、番号順に意味付けもされた不幸な運命を持っています。そこで、ここでは3ハウス、2ハウス、アセンダント→・・・ と時計回りに読んでいただきたく思います。

 

  ハウスの知識はひじょうに重要であり、この知識を欠けば占星術の判断が成り立ちません。私達が尋ねられた質問に答える場合、多くの質問でハウスを選択することになります。私達が間違ったハウスの選択をすれば、必然的に間違った答えを掘り起こすことになります。占星術での判断上での間違いの多くは、単に間違ったハウスを観察することによって為されるというのは真実です。どのハウスで判断すべきかが分からなければ、答えは12分の1の確率でしか導き出されることはありません。

 

  実質的な話に入る前に、幾つかの言葉について説明します。

 

   ネイタル         誕生時間に基づくチャートという意味です。その人自身、誕生のチャート

                とか時々言葉が変わります。

 

   ラディカル・チャート = 始めにできたチャートのことです。

 

  ジョイ(JOY) =   ここでのお話は、ジョイという概念がとても重要になりますから、ジョイについて説明しておきたいと思います。「サイン」にはルーラーというものがある一方、エキザルテーションという品位を持つ場所があります。「サイン」のルーラーは一つのサインの家主という感覚で捉えられます。エキザルテーションの方は、居心地の良い他の人の持ち家とか言われます。これと同じような概念が「ハウス」の方にも存在します。それがジョイです。 

 

  惑星のジョイは下記のようになります。

 

  第1ハウス =水星。

  第3ハウス = 月。 

  第5ハウス =金星。

  第6ハウス =火星。

  第9ハウス =太陽。

  第11ハウス=木星。

  第12ハウス=土星です。

 

  チャートを判断する場合のジョイの実占的な用法は、特にネイタルで使います。そのジョイになるハウスに入ったどんな当該の惑星も強さを増します。それが居るべき適切な場所なので強さを増し、そこで最もよくその本来の性質を表現することができるのです。オポジションになっているハウスに入っていれば、逆に力は弱められます。

 

  これらのジョイは密接に惑星とハウスの基本的な意味に立ち返らせます。ジョイを知る必要があるのは、ハウスの概念を把握する時です。

 


  太陽と月が、昼と夜とを分け合うとする考え方は、とても単純に理解できます。太陽の力が一番強いのはお昼過ぎだと習いました。夏という季節でも太陽の力を一番強く感じるのは夏至点ではなく、一ヶ月程過ぎた辺りであることも私たちは知っています。太陽が最高点を過ぎた9ハウスに来たときが、太陽の力が最大限になる時です。したがって9ハウスは、太陽のジョイになるハウスとされました。太陽にとって一番居心地の良い、他の人(木星)が管理しているハウスという意味です。

 

  占星術ではオポジションを投影、あるいはバランスをとる部分としています。3ハウスは9ハウスから投影される光を全反射するのに一番の場所です。月と太陽がオポジションの時、月は太陽からの光を全反射する満月です。満月の状態を、月が太陽の光に完全に支配されているとも言います。そこで古代の人達は、女神が太陽に完全に支配される部屋を、太陽のジョイになる9ハウスのオポジションに求めました。3ハウスです。

 

  これらの事によって、太陽が昼に相応しく、月が夜に相応しい場所を元々持っていたことが明らかになりました。

 

  3ハウスには、月をジョイとした様々な意味が波及しています。

 

  月は地球と兄弟のように太陽を回っているので、3ハウスには兄弟という意味があります。

 

  月は、トランスレーションという働きを最も回数多くこなすので、通信という意味が3ハウスに備わっています。これも、月の意味から来ました。

 

  ご近所という意味も、月が地球の近くにあるから与えられました。

その他、しょっちゅう遊びに来る茶飲み友達、まるで、ご近所さんのように近しい友達が3ハウスで示されます。

 

  これは、11ハウスで示される友人とは質が違うようです。11ハウスの友人とは、共に道を歩むもの、同じような道から真理を追い求めるという高尚な概念の友達の方が相応しいでしょう。