● 占いには、誕生日が要るの?
いいえ。タロットや筮竹占い、断易など、誕生日の要らない占いは多いものです。
普通、西洋占星術には誕生日のデータが必要だったはずです。でも、考えてもみてください。古代の人の、どれほど多くの人が誕生日を知っていたのでしょうか?
言われてみて、始めて気付かれる方々が多いに決まっています。現代の常識とかけ離れていることは、一種のカルチャーショックです。では、どうやって占っていたのでしょうか? 西洋占星術は、星を使っていなかったのか?
いいえ。使っていました。
質問が為された、その時の星々の位置を使っていたのです。これなら、占えますよね。
誕生日を知らなくても、「質問者」が占星術師の元を訪れて、「質問をする」わけです。そして、その「質問」をした、その時の星々の位置を求めるわけです。占星術師は天体観測のプロですから、惑星たちの、その時の位置を計算できました。
お分かりのように、天文学者が占いをしていたのです。
どこかで、数学と天文学を学び、惑星の位置計算をできるようになって、王様に雇われます。その国のカレンダーを作り、祝日を制定し、記念日、お正月などを割り出すわけです。そして、時々、王様の質問に答えるわけです。
ですから、古い西洋占星術の本には、「天体の位置計算ができること」が必須でした。今日、それはコンピューターが行ってくれますから、簡単に判断のためのチャートを手に入れることができます。私も、学び始めた頃は、中学生だったですし、計算機なんかも手に入れられない時代でしたから、ノートに計算をしながら、チャートを作ったものです。
作り方さえも、忘れてしまいました。明石の位置の天体位置表が載せられていて、それを使って黄経度数を割り出していきました。何回も自分のチャートを作りましたから、形を覚えました。しかし、度数を覚えることはありませんでした。
やがて、昭和40年代の後半に、パソコンを手に入れます。スターゲイザーと呼ばれる小曽根 秋男氏の本を手に入れ、格段に手書きのものから違う世界へと入り込みました。それでも、西洋占星術は難しかったものです。読めないのです。どこから読み始めたらいいのかが、どこにも書かれていませんでした。
そして、誕生日、誕生時間が要りました。
でも、おかしいと、薄々気付き始めます。誕生日を知る人が、当時、ものすごく少なかったのです。今日では母子手帳がありますから、お母さんが失くしていなければ、おおよその誕生時間さえも分かります。でも、歴史的に、誕生日と誕生時間を知っているのは、我々だけなのです。
それに気付くと、どうやって西洋占星術が発展してきたのか、いや、あらゆる誕生日に基づく占いが、どのように発展してきたのかに疑問を持つようになりました。無かったものが発展するって、あり得るのでしょうか?
すると、西洋占星術には、誕生時間を使わなくても占える方法があったことを知りました。しかも、どうも、そちらの方が具体的な質問に答えることができるらしいのです。
早速、英文の本を取り寄せて読み始めましたが、今度は、英語の壁にぶち当たります。
その経緯は、別のページに譲りますが、とにかく、誕生日は必須では無かったのです。
そうでなければ、これほど西洋占星術が発展しながら、長い息を保ってきたことは無かったでしょう。けれども、その様相は、かなり違っていました。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』