西洋占星術の 4ハウス



● 4ハウスは、チャートの根・ルーツです。

 

  4ハウスは、天球の回転を支える四つの重要点の一つです。全ての惑星達が下降を終え上昇に転じる所です。天の回転の下降と上昇の基をここで受け持っていますから「礎(いしずえ)」という意味を持っています。

 


● 4ハウスはチャートの根っこ、ルートです。そこで、人のルーツ(血筋)、祖先と考えることができます。祖先で一番近いのが両親ですから、4ハウスは両親のハウスです。両親から上の祖先も根(ルーツ)ですから、4ハウスです。したがって、両親、両祖父母、曽祖父母、・・・ 連綿と繋がる祖先という意味があります。祖先をひっくるめて指し示すのが4ハウスです。同時に、祖先から伝来してきた世襲財産を示します。

 

  両親の中から、特に父親と母親を区別しなくてはいけない時にだけ、家系の血筋を根とします。多くの場合、父親が家系の血筋を表すので、ほとんど父親が4ハウスです。聖書でも、日本書紀でも、父()に従うとなっているからです。男女の仲では世の東西を問わず、男が指針を示す事になっています。家系は、女が主導権を取ると断絶(絶家)します。聖書や日本書紀は、それを喩えを持って書いています。

 

  社会的な結婚(オポジションの10ハウス)のハウスと共に、しっかりとチャートの中に家系を維持する考え方が入っているわけです。

 

  家系が途絶える事、絶家するかしないかは、観察するためのとても長いスパンが要ります。ここ数年、お寺に行くとお参りに来られない無縁仏が増えているそうです。絶家している家がとても多いのです。何故でしょうか? 女性が主導権を握る家庭が増えていることと無関係ではありません。男が弱くなったとも言えます。戦後、神話で語られる、信じられない様な世界観に基づいた教育が為されなくなったのです。神話は、重要なことを我々に語っているのです。

 


  占星術も、にわかには信じられないことを扱っています。でも、私たちはそこに、何らかの真理を感じるからこそ学んでいるはずです。占星術は垂示思想の一種です。天が何かを我々に教えているかもしれないという考え方に基づいています。

 

  4ハウスは、チャートの根として礎(いしずえ)の置かれている事は疑いの余地がありません。ここに男性と女性を区別しなければならない時に女性を置くと、家系の断絶、根の断絶に通じます。

 

  カルディアン・オーダーで惑星を並べると、4番目は太陽です。ハウスの支配星は惑星の一番外側にある土星を一番目として1ハウスに当てはめられ、二番目が木星で2ハウスに当てはめられ、三番目が火星ですから3ハウスの支配星になっています。そうやってハウスの支配星を四番目まで来ると[太陽]になります。それが、4ハウスに太陽が当てはめられている理由です。ここは太陽の支配するハウスですから、上記の理由を加味すると両親を表し、父親と母親を区別するときに父親なのです。

 

  日本の西洋占星術スクールの中で、古典的なものを教えていると書かれているのに、4ハウスをいまだに母親のハウスと教えている教室が現実に存在します。主催している先生は、とても勉強しているのに、クロスリファレンスとか、疑いを持ちながらとかせず、勉強する姿勢がまだ生徒のままなのです。

 

  あるいは、まだ、過去に学んだ事柄を大事にし過ぎて、疑いを晴らしていないのでしょう。

 

  ある、古典的なものを教えていると述べる有名な某先生等は、惑星の定義で、太陽や月も占星術では惑星と言うと、踏み込んだ意見を述べながらも、天文学的な惑星に対しては、何の検討も行わず、即座に西洋占星術の惑星に入れ込んでしまっている人もいます。これでは、片手落ちです。

 

  西洋占星術の研究は、一筋縄では行かないのは事実です。それは本当のことなのかを調べるのは、最終的に自分だからです。調べもせずに意見を述べることは、私にも無いのかというと反省すべき点はあります。でも、それだからこそ、真摯に学んでいけるのです。


  5ハウスの支配星は金星なので、楽しみのハウスになります。モダンな占星術で4ハウスが母親にるなら、5番目の獅子のサインから5ハウスが父親にならなかったのは何故でしょうか? 氾濫する情報のせいで、4ハウスが母親だとする意見を鵜呑みにすると、家系断絶の悲劇に通じてしまいます。

 

  カルディアン・オーダーで、4ハウスに4番目の惑星太陽が密接に関係していることが分かれば、太陽を父に、月を母に与えてきた自然な感覚が自ずと父親を4ハウスに結び付けます。4ハウスは、祖先のハウスとして、家庭の中の年配者の部屋ということにもなっています。年長者を中心にして家族が集まれる場所、居間です。ここにも、家系を維持する場合に年長者を大切にしなければいけない思想が見え隠れします。

 

  4ハウスは全ての天体が下降を終え再び上昇に向かうので、天底とも呼ばれる場所です。ここから祖先に対する尊敬の念、更に尊崇の想いに通ずると観ます。特定の祖先を選び出したいときにはチャートを[回し]ます。父親の父親は7ハウスです。チャートを「回す」という概念は、父親が4番目の4ハウス、その4ハウスから4番目が祖父となり、それは7ハウスになります。数え始めるための数字は、1からです。西洋占星術が生まれた当時、まだ、インドから零(0)という概念が入ってきていなかったからです。したがって、序数で語られていることが多くあります。イグザルテーションの度数も序数ですから、太陽が♈の19度と書かれていても、18.00度~18.59度までのことです。

 

  太陽のカジミも、17分(序数)となっていますが、16分(基数)までです。ちゃんと、視直径である32分(基数)と合ってきます。

 


  4ハウスは、家にある骨董品の掛け軸がお宝なのかどうか… を示しません。世襲財産には入るかもしれません。それが利益を生むかどうかは、そこからチャートを回した2番目、5ハウスの事柄でしょう。

「家にある古い掛け軸は、骨董品としての値打ちがあるのか?」

たぶんこの質問では、5ハウスのルーラーのエッセンシャル・ディグニティーとアクシデンタル・ディグニティーで判断できると思います。

 

  「家には言い伝えがあって、敷地には大判小判が眠っている可能性があります。本当に埋蔵されていますか?」

この問題ならば、間違いなく4ハウスの問題です。4ハウスのルーラーのディグニティーが高かったなら、さっそく家を取り壊して地下を掘ってみましょう! 何も出てこなくても、その土地にぴったりの農作物を植えればよく実ることを示します。

 

  父親の所有物は一般的には5ハウスです。5ハウスは、父親のポケットマネーを示すからです。でも、文化的な遺産とか、家訓、その家代々、その家系の遺産は、4ハウスが示します。

 

  母親の特定のポケットマネーとして区別されるものがあれば、子どものために残してくれる母親の貯金は11ハウスになります。しかし、古代、母親の財産と父親の財布を明確に分けてきたわけではありません(だから離婚が少なかった)。夫婦の財布は一緒だったからです。現代の法律でも配偶者は自分と同一視(0等親)しています。ですから、意外とこの質問は難しい事が分かります。

 

  たとえお母さんの財産でも、お父さんのポケットマネーとして占った方が適切かもしれません。11ハウスが強いというのは母親の財産かもしれませんが、仕事からのお金か、友達関係と考えた方が良いでしょう。 


● 1950年から2000年までに発刊された日本語になっている西洋占星術の本のほとんどが、4ハウスの支配星を月としています。そこから、家系断絶につながる4ハウス・母親を導き出しています。

 

  ここで書くように、古くはサインのルーラーと、ハウスの支配星は別々でした。

 

  それが一緒になっていったのには何か理由があるはずです。

 

  4ハウスが父親のハウスになるのは、ハウスとサインは成り立ちが違うからです。

 

  こんな基本的で大事な部分が違っていては、占星術が当たらなくて当たり前ですよね。それよりも、基本的な部分の検証って、どうなってるのでしょう。

 

  サインと同期させて類推することで、ハウスの意味が導き出せるのでしょうか?

  それとも、ハウスは、サインと別々の理論を持っていると考えるのが正しいのでしょうか?

 

  蟹のサインと4番目のハウスを同期させると、確かにハウスの支配星も月になります。しかし、蟹のサインでは、根(ルーツ・家系)という意味を持ちようもありません。「産み育てる」は出てきます。したがって、祖先という意味を4ハウスは持たなくなります。

 

  月と太陽では、まるっきし正反対です。今は、ハウスの話をしています。ハウスの成り立ちは17世紀以前の、それが書かれている本を探るまで、誰にとっても疑問のままかもしれません。17世紀以前の本なら、どの本を探っても大丈夫です。

 

  4ハウスは両親のハウス、父と母を分けたい場合は、父親のハウスです

 

  5番目のサインが太陽によって支配されていても、5番目のハウスは父親ではなく、5番目のハウスは喜びの部屋になっていて[サインとハウスは違う概念なので]、太陽とは全く関係がありません。これは、モダンな占星術の範疇内で考えても分かるはずです。5ハウスを金星が支配しているからこそ、喜びのハウスとして理解できます。そして、5ハウスで金星がジョイだからです。