チャートの右回りと、左回り

The Considerations Before Judgement 04



チャートの右回りの事をプライマリー・モーションと呼びます。

チャートの左回りの事をセカンダリー・モーションと言います。

 

プライマリー・モーションというのは、一日の太陽の動きと同じ方向の動きのことで、チャートに向かった場合、時計回りとなります。

 

セカンダリー・モーションというのは、季節の推移に従った惑星の動きのことで時計と逆回りです。

 

セカンダリー・モーションの中で一番分かり易いのは、月です。満月の次の日の月の事を立ち待ちの月、三日後の月の事を居待ちの月と呼びますが、この動きがセカンダリー・モーションです。

 

チャートを動かせるなら月に注目して動かしてみてください。毎時間事なら右回りに動いて行きます。これがプライマリー・モーションです。

 

毎一日ごとなら月は10度、→ 23度、→ 次のサインの6度などと動いて行きます。この動きがセカンダリー・モーションです。

 

セカンダリー・プログレッションという動きは、太陽が一年で地球の回りを一回廻るのと、地球が一日で一回廻るのをシンクロさせる考え方です。太陽が一年で地球を回るのと、地球が一日で太陽に全ての面を向け終わるのを一年と同じような動きだと考えるわけです。時計と逆回り方向に進みます。一日後の位置を生まれてから一年目と仮定するわけです。同様に30日後を、約30年後として判断するわけです。蛇足ですが、このことから誕生日のナチュラル・ルーラーは太陽となります。

 

太陽が誕生時と同じサインの同じ角度の場所に来るのは、太陽リターンと言って、誕生日の中の誕生日とでもいうような毎年キッカリの位置です。日時は誕生日時間とずれますが、これこそ占星学的な誕生日です。

 

占星術ではこの両方の動き(プライマリー、セカンダリー)を利用します。サインはセカンダリー・モーションで組み立てられていますし、ハウスはプライマリー・モーションで組み立てられています。

 

角度による角度に従ったアスペクトは、順行方向であればセカンダリー・モーションで考えます。時期表示などでは、カスプへの角度によるアスペクト等で割り出す時に、プライマリーモーションも、セカンダリー・モーションも考慮に入れます。

 

占星術の本を始めて読む人は、この動きに疑問を感じます。どっちの方向が正しいのか? ハウスに番号が振ってあるので、どうしてもその順番に目が行きます。その順番どおりに意味付けをしていって、間違った理解に深く入り込んでいる人達もいらっしゃいます。しかも、本を出してその解釈方法を世間に広めている人達もいらっしゃるので注意をしないといけません。ハワード・サスポータス、リズ・グリーン達等が、焦ってハウスの意味をセカンダリー・プログレスで解釈していますから、ものすごく大きな違いとなっています。この間違いは、伝統的な本がギリシャ語やラテン語から再翻訳される時期が、もう少し早くあれば防ぐことができたでしょう。

 
古典的には、学者の書いた本『テトラビブロス』にさえもプライマリー・プログレスで説明されています。