● 惑星の定義
西洋占星術は、下記の視覚的な構造を持って、発展してきた。
惑星とは、天球構造の一層を受け持つ天体を指している。
● その他の惑星の定義
天球構造を受け持つのは、サイン、星座、土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月である。7つの惑星は、それぞれ天球の一層を占めていて、土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月 の順に並んでいる。ここから、カルディアン・オーダーという惑星の配列を決められ、曜日が決定された。従って、惑星は、配列、時間、曜日を差配している。
つまり、惑星とは、天球構造の一層を占め、時間を差配し、曜日を支配している天体、ということになる。一部の本で書かれているように、地球を数えずに、木星は4番目の惑星でもなく、土星が5番目の惑星でもない。その数え方は、コペルニクス的な天文学上のことである。古典的な西洋占星術の世界が生じた時には、上記のトレマイックな天球しかなかった。
惑星の順番は、カルディアン・オーダーに基づいて数えられていて、土星は1番目の惑星、木星は2番目の惑星となっている。
この基準に合致しないのは、ジャンルの違う天体である。
更に、恒星は数多く天に散らばっている。しかし、西洋占星術で考慮する恒星は、少なくとも3等星以上と、星雲と星団として認められている恒星の群のこと。
● サイン
春分点から始まり、正確に30度ずつを占めるのがサイン。
黄道帯にある星座は、正確な角度を持たず、各星座の端は重なっている。みずがめ座のように、サインを3つまたぐ時代もある。上述の図のようにしてみれば、一目瞭然。
下記の図は、春分点を星図の上に確認しているもの。天文学でも占星学でも、春分点を基準点にしている事だけは同じ。
● 春分点
サインの始まりは、牡羊のサインで、春分点を起点としている。「星座」という概念を持っていない方が多いので、分かりにくい。「サイン=星座」であると思い込んでいる人は、これをつかめない。もともと、サインと星座の2つがあると認めると、すんなりと理解できる。
大切な視点は、恒星を判断の為の考慮に入れ始めると、その違いが分かってくる。例えば、レグルスという恒星は、しし座の心臓だが、それはもう獅子のサインにはない。レグルスは、2011年の夏に乙女のサインの0度に入ったからだ。恒星は、ずれて行く。前に進んで行く。だからといって、レグルスは、しし座に在り続ける。サインでの位置だけが、変わった。
さそり座のアンタレスも、蠍のサインの中にはない。現在は、射手のサインの中にある。
さそり座の中にはあるのは、サソリの心臓だからである。
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