サインは、トリプリシティーを持ちます。そして、
サインは、トリプリシティーのロードをも持っています。
トリプリシティーには、
トリプリシティーにも支配星が整えられて、トリプリシティーのロードと言います。このトリプリシティーのロードは、その名の通り3つあってトリプリシティーと間違え易いので注意が必要です。トリプリシティーは、3つ組で三角形を為すサインの組のことです。が、トリプリシティーのロードは支配星のことです。この支配星は下記のようになっています。
「ドロセウスの トリプリシティー」
トリプリシティーのロード
ドロセウスのトリプリシティーと冠が付いていますけれども、占星術師ドロセウスの考案によるものではありません。元々、古代から受け継がれていて、ドロセウスの書物から見つかるので「ドロセウスのトリプリシティー」と異名を持つ、それが、トリプリシティーのロードです。
ドロセウスの著わした Carmen Astrologicum(紀元1世紀に書かれたとされる)には、♍のサインのトリプリシティーのロードの関与星にだけ、水星が加えられています。分担するとなっているので、火星が消えてなくなるわけではありません。しかし、♍のサインは元々水星のサインなので、結局書いても書かなくても判断には遜色なくなると思います。何か特別なことがない限り、頭の片隅に置いておいても構わないので、後の歴史からは消えてなくなってしまったのです。
このトリプリシティーのロードは、ドロセウスの本ではサインのロードよりも先に説明されているほど貴重なものです。曰く「なぁ息子よ。サインのエレメント毎に、トリプリシティーのロードっていうのがあるんだよ。私はそれを理解した。」と切々と謳い上げます。
どう使うのか?
● 例えば、大雑把にチャートを捉える場合に、トリプリシティーの1番目のロードが人生の1/3程度を、2番目のトリプリシティーのロードが人生の2/3の部分を、そして3番目のトリプリシティーのロードが人生の後半3/3の部分を表すとされ、ルミナリーズの入っているサインのトリプリシティーのロードと共に観察することで、大雑把なものが把握できるとしました。
これが大雑把であっても、体系づけられた最も古い文献にも載るものですから、後の占星術師たちもこれに習っています。チャートのどこに惑星が置かれていたとしても、感覚に頼らずに判断ができる方法なので知っておいて損はないでしょう。
そのトリプリシティーのロードを使うことで、重宝するのが仕事に関する質問です。
仕事の質問の場合に、複数の仕事が持ち出されて、「どの仕事が良いのか?」などと質問されることがあります。この時に頼るのがトリプリシティーのロードです。もちろん、トリプリシティーのロードよりも先に考慮される惑星があるのですが、ここではトリプリシティーのロードを話したいので割愛します。
そんな時に、1番目の仕事はまさしく、そのサインのロードとなり、2番目の仕事がトリプリシティーのロードの、昼であればトリプリシティーの1番目のロードを、夜であればトリプリシティーの2番目のロードを採用する方法が取られるわけです。
でも、10ハウスが♌のサインになっていると、トリプリシティーの1番目のロードも太陽ですから、そんなときは、どうすればいいのか? 夜のトリプリシティーのロードである木星を使います。あれ? 夜のトリプリシティーのロードを使ってもいいの? はい、構いません。昼とか、夜とあるのは、後先にするだけで、トリプリシティーのロードたちは、昼も夜も働いているからです。
使い方に慣れるには、やはり恋愛の質問で把握する方が早いので『愛のホラリー占星術』が役に立ちます。不倫の質問で用いることでてき面に相手が不倫をしているのかどうかが分かります。
ただし、歴代の占星家たちは、恋人のいない人からの質問「私のいい人に、いつ出会えますか?」で、このトリプリシティーのロードを使いません。その理由は、男性には太陽を、女性には金星を与えてしまっていて、既に惑星が増えているからです。不倫の質問にはトリプリシティーのロードを使うのに、これから出会う人の質問にはトリプリシティーのロードを使わない… ?
私はこれに疑問を持っています。きっと使い方があると踏んでいます。何故なら、太陽や金星を加えても結婚相手が見つからないチャートでも、結婚ができることが分かっているからです。きっと別の方法があるはずなのです。西洋占星術は完全なものではありません。まだまだ不完全です。だからといって、法則がないがしろにされることはないでしょう。
そこで、もしトリプリシティーのロードを使うのだったなら、どのような方法になるのだろうか? 考えてみています。歴代の占星家たちが試みていない方法なので、使えるかどうかはまだ分かりません。トリプリシティーのロードは重要です。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』