歴史からの ちょっとした考察

 

● 西洋占星術は歴史から眺めると、違った様相を見せます



西洋占星術は、歴史から蘇るものがあります

 

 歴史を振り返ると、占星術は当たり過ぎるので変えられている可能性があります❓

 

 それはどうしてかというと、為政者(政[まつりごと]をなす人)たちが、庶民(一般大衆[衆という字義には、耳を聞こえなくさせるという意味があるそうです])に確実に当たる予言の方法の広がることを恐れたからです? なぜ? 

 

 為政者は、行っている政治に対して予防線を張られることを心配するものだからです。丁度、今の中国政府のやり方を見るとよく分かります。為政者にとって、余計な事を知らない大衆の方が治めやすいものですし、また、敵対者にきちんとした予言の方法を渡したくなかったのかもしれません。(※後記参照)

 


モダンな占星術と、古典的な占星術の相違点

 西洋占星術の歴史から考察してみると・・・

 

 モダンな占星術と、古典的な占星術の間には、矛盾とも呼べる多くの相違点が存在しています。

 

 解明

 

 どちらが正しいという問題ではありません。どのように変遷してきたのかをもう一度捉え直し、確かな足取りを基として西洋占星術を学んでいくべきだと思います。遠い過去から伝わってくる間に、大きく変化したものに対しては、何ゆえにそれが変遷していったのかを把握し、意味のある変更であったのか、無意味な変更であったのかを確かめ、戻すべきは戻せばいいでしょう。

 

 例えばモダンな占星術では極端な話、ハウスは機能しないとして捨て去る人もいます。「いくつもの検証の結果、やはりハウスのシステムはおかしい。私は信じられない。だから新しいテクニックを探そう」という試みです。そのような態度を取るべきなのかどうかも含め、今日、見直しをする機会が訪れているのだと考えています。今日、メイラ・エプシュタイン、ロバート・ハンド、ロバート・ゾラー、ベンジャミン・ダイクスらの努力で、多くの古典的な西洋占星術の文献が、ラテン語やギリシャ語から英語へと翻訳されているという趨勢も、その見直しの助けになっています。

 

相違点

 

 

 相違点・相異点の一つとして、モダンな占星術では「信じられない」とまで言われるハウスの解釈があります。多くのモダンな占星術の本には、歴史的な観点から占星術の起源を探ったり、その変遷が述べられたり発展していく過程も載せられたりしています。それはそれでとても貴重なものです。

 

 例えば、愛の星である金星が、モダンな占星術ではお金の星ということになっています。このようなことがなぜ起きてしまったのか、その原因はハウスの支配星の解釈の違いから出てきています。多くの日本語の書籍には、下記の事柄が書かれていません。

 

[1]ハウスの支配星が古典的な占星術とモダンな占星術で、使っているものが違ってきた事を書いていません。

[2]過去にはハウスの支配星に対して別の捉え方がありましたが、それがモダンな占星術に至るまでに、なぜ変化してきたかが書かれていません。

[3]モダンな占星術で使っているハウスの支配星の優位性が、変遷の結果、より有効性があるとするならば、どうして有効性が過去のものよりも勝ってあると言えるのか、それが書かれていません。

 

 ここでは、2ハウスの支配星が古典的な占星術は木星であり、モダンな占星術は金星となっていることから生じた違いが、どうして引き起こされたのかを例として下記に書きます。ハウスの支配星の変遷を一言も述べずに押し進めた結果、多くの人達が誤解してしまいました。それはいったい、どういったものなのでしょうか。

  


 例えば、今日4ハウスは母親のハウスとされています。

 

 しかしながら、過去の数冊の本をあたると4ハウスは父親を表すとなっています。

 

 過去の多くの本にそう書かれていながら、なぜ今日4ハウスは母親?となっているのか、その理由をデボラ・ホールディング女史は自著『The houses the Temple of the Sky』の中で次のように書きます。

 

 『例として、2番目のハウス = 金牛宮 = 金星 = お金というテーマを考えてみましょう。伝統的な占星術においては、双魚宮が刑務所を描写していないのと同様に、金牛宮はお金を描写していませんでした。サインとハウスそれぞれの具体的な役割は、完全に別個の概念として扱われていました。

 

つまり

 サインの役割 ≠ ハウスの役割

だったのに、誰かが、

 サインの役割 = ハウスの役割

にしてしまったのです。

 

 2番目のハウス = ♉のサイン =

  金星 = お金

と同様に、

 4番目のハウス = ♋のサイン =

 月 = 母親というセオリーを持ち込みました。それゆえ、4ハウスが母親になったというのです。

 

 西洋占星術では、2ハウスは木星に、したがって財産は木星に、4ハウスは太陽に、つまり4ハウスは父親と密接に関係付けられていました。4ハウスが父親から母親へというような変遷がなぜ行われてきたのか、委細は歴史家の検証をまたなければいけませんが、事実は事実としてハウスに対する考え方を再度とらえ直してみる必要があるでしょう。その過程で、「ハウスのシステムは信じられない」という言葉が、確かにモダンな占星術の立場からは真実であることがうかがえるはずです。ハウスの選択を間違えれば、判断を間違えます。これは、実占の場での事実です。 

 

 じゃあ、そのような西洋占星術は無意味なのかというと、それはエンターテイメントな西洋占星術として残していくべきだとも思います。何故なら、多くの執筆者によって雑誌や新聞やテレビのコラムは、書かれた方が良いからです。それらのメディアの執筆には簡単な、当たり障りのないものの方が良いとさえ思います。そして、本格的な占星術の入り口にもなります。

 


 その他、とらえ直すべき各種の事柄は

  • アスペクト
  • オーブ
  • ディグニティーの解釈
  • サインの支配星に、外惑星を持ち込む必要のないこと
  • ディスポジターの解釈
  • もちろん、ハウスの意味も

   さらに

 

■ その他の相違点の例 (まだまだ、他にもたくさんあります)

  • 占星術は歴史的に、1番目のハウス=カルディアン・オーダーで最初の惑星=土星=1ハウスの支配星としていて、土星を1ハウスの支配星としてきました。土星は、死のハウス8ハウスをも支配します。土星はドアの神であり、出入り口の支配者です。土星は生死を司り、1ハウスと8ハウスの支配星となっていました。
  • モダンな占星術では現在、1番目のハウス=牡羊のサイン=火星=1ハウスの支配星として、火星が入り口、1ハウスの支配星です。出口となる8ハウスも、火星になります。そこで、8ハウスは死のハウスなので、死とSEXを結び付けたかまきり理論が支配的で、現在、SEXを8ハウスと結び付けています。
  • 愉しみは5ハウスの事柄です。肉体の生殖器は8ハウスに対応します。上記の理論で行くと、口で行うキスは1ハウスになります。古典的には、キスもSEXも5ハウスです。
  • 通信は、3ハウスのジョイである月の意味から来ています。月は、物を運んで置いてくるだけの役割をします。水星の行う通信は、メッセンジャー(口のルーラー)として働き、意思を持って伝えます。メールや手紙の意味は、明らかに月の意味が近くなります。ハウスのジョイも支配星も、そのハウスの性質を語ります。これは、王様(10ハウス)からの6番目のハウス(メッセンジャーのハウス)として、3ハウスに当たるので残っています。

  • ハウスの支配星は、そのハウスの性質を語ります。

  • ジョイという概念が忘れ去られ、ハウスの意味が混沌としてしまいまいた。3ハウスに月を対応させるという理論は、ジョイという概念が無いならば出てきません。また、ジョイという概念が無いと、3ハウスの意味が月から与えられません

 発刊している本について

古典占星術


後記

 為政者が変えたというのは作り話ですが、あながち嘘でもありません。

 実際には、難しい占星術を簡単にするために行われたようです。

 

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