● トランスファー・オブ・ライトには、2つの形があります。
その1.
占星術師マシャ・ア・ラー(Māshā’allāh)が残しているOn Receptionの中の例題には、複雑な形のトランスファー・オブ・ライトが入り混んでいます。それは、下記のようなものです。チャートから示します。
マシャ・ア・ラーは水星と月を比較して、このチャートでは月の方が主たる表示星であるという議論をまずします。
その後に、月のトランスファー・オブ・ライトに言及して、月は金星に光を委ね、その金星が8ハウスのロードである火星にアスペクトをするのか、しないのか、という議論をし始めます。
そして、最終的に、月は木星とアスペクトをするのだと結論を下します。
月は、どう考えても、木星からセパレートこそしていますが、木星にアスペクトをしているように思えません。しかしながら、トランスファー・オブ・ライトを学んだ後に、月が木星へとアスペクトしている様子が見え出します。
この形だけがトランスファー・オブ・ライトではなく、他の形を取るものもあります。下記に例題を掲げます。
● トランスファー・オブ・ライト その2.
月は、どのようなチャートでも、常にどの惑星からセパレートをし、どの惑星にアプローチをしに行くかを絶えず観察すべき惑星となっています。しかしながら、月だけがトランスファー・オブ・ライトを成し遂げるわけではありません。月の観察に慣れてきたら、他の惑星のトランスファーも観察していってください。下記の例題は、水星によるトランスファーを示しています。
水星は木星からセパレートをし、土星にその光を届けようとしています。水星が木星からセパレートした時に、水星は木星の光を背負います。従って、木星が土星とコンタクトを取ります。この木星はやがて逆行に入りますから、実際には土星とアスペクトを成しません。それなのに、水星がこの位置にあることによって、コンタクトを取ることになります。
一方、月は金星からセパレートしてきて、金星の光を背負っています。そして、土星へと向かいます。このことによって、土星はコレクションもすることになります。
月と土星の角度差が一番少ないので、月と土星のリセプションを調べます。小さなものでもあれば、土星は次々とコレクションを完成させます。月と土星には強いリセプションが存在しますから、土星は月の依頼を受け付けるわけです。
集められる光は、月の側からは、月と金星、水星の側からは、水星と木星となります。
コレクションで集められる惑星は、2つだけとは限りません。3つ、4つ、5つと複数の場合も多いものです。複雑に絡みあった惑星達は、どのような作用を見せてくれるのか、後はリセプションを読み解くだけです。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』