『判断の前の考察』で、チャートの整合性を観察するための幾つかの方法が、酷評を受けています。それらは、ほぼ、ホラリーのチャートに適用されたものに対してです。
検討されなければいけないとする事項は、
です。
一部に、ストリクチャー(酷評を受けてしまう)チャートは、ホラリーのチャートとして読めないという誤解があります。
1. 月のボイドの時間帯は、ホラリーのチャートとして読めます。ボイドは、全ての「質問」で意義を持つわけではありませんが、ちゃんと意味があります。
2. アセンダントが若い角度にある時は、質問事項が生まれたばかりで、これからも様々な変化をしていくと解釈ができます。だからといって、破棄すべきチャートとはなりません。
3. アセンダントが後ろの方の角度にある時。質問者は、占い師にどのような答えを言われようとも、取るべき行動を決めている等と解釈されますが、これも、それを理由として破棄されることはありません。
4. 惑星時間とアセンダントの整合性が無い時
おそらく、これが一番問題になっていて、誤解を受けている概念です。
リリーのチャートで、全く時間の整合性の無いチャートは、クリスチャン・アストロロジー(Christian Astrology)の中に10個あります。イベント・チャートを加えると11個になりますが、イベント・チャートは誕生チャートと同じように、元々ラディカルだからです。
219pのものや、395pのものです。
『誰がお金を取っていったのか』395pのものは、現代風に日時を当てはめると下記のようになります。現代のグレゴリオ暦と日付は違いますが、曜日は合っています。
アワー・ルーラー(木星)と
[アセンダント、アセンダントのロード、アセンダントのトリプリシティー] との間に整合性はありません。
木星 ≠ 蠍のサイン(コールド&モイスト)
木星 ≠ 火星 (エレメントも違う)
木星 ≠ (水のトリプリシティー)の、金星、火星、月
これでは見にくいので、現代風に直します。下図です。
アワールーラーと、アセンダントの付け合わせは、
アワールーラーと
上記3点を調べます。上のチャートのアワールーラーは、木星です。
木星 ≠ 蠍のサイン(エレメントも違います)
木星 ≠ アセンダントのロード火星 火星のエレメントとも違います
木星 ≠ アセンダントのトリプリシティー ここで、トリプリシティーは3つあります。金星、火星、月、です。
いずれも、木星とは性質もエレメントもトリプリシティーも違います。
では、このチャートは破棄すべきなのでしょうか?
リリーは、おかまいなく判断をスタートさせていますし、見事な判断を見せてくれます。
では、いったい、ストリクチャーとは?
ストリクチャー(stricture、拘束、緊縮、非難)という言葉は、元々古典的な占星術にはなかった言葉です。
ボナタスの書く、3つの整合性を見つけた時に、破棄すべきチャートがあるのだと勘違いをしたのです。
アワールーラーとアセンダントのロードに整合性の無いチャートというのは、ひょっとしたら、カレントが本当にしたい質問をしていないかもしれないということです。無論、全ての場合にそうではありません。本当に聞きたいことを聞いていないとは、
等々、様々なものがあります。万が一、質問の真意が改めて分かれば、最初のチャートは破棄し、質問の真意がハッキリした段階でチャートを建てます。ここに、破棄するという場合があったので、そのプロセスを経ずにでも、破棄する、となったのでしょう。
つまり、誤解から生じた物なのです。
5. 月がいずれかのサインの後ろの方の角度
6. バイア・コンバスタ(当然、月)
7. 第7ハウスのカスプへのアフリクト
8. アセンダント上の土星
9. アセンダントのロードのコンバスト
10.等しい証言
11.その他
古典的なテキストのどこかで、このようなチャートを目にしたことがあるはずです。彼らは、そんなチャートを捨てていません。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』