心の品質 その1. 水星と月


決して性格ではありませんが、理解力(水星)と感情(月)のバランスというのは、その人の持つ、ある意味でその人らしさの一面を表しています。

 

これは、ネイタルの理解力と感情のバランスを探るテクニックです。最近かなり有名になり、モダンな占星術を行う人達の中にも、いつの間にか浸透しだしてきている水星と月の解釈です。

※ 心の品質1.は、主にウィリアム・リリーによるクリスチャン・アストロロジーを参考にしました。

 

水星はもともと理解力と推理の星として考えられている一方で、月は感情面を表す星である事を誰も否定しえません。そして、水星の方は、なかなか良い状態を持つ人が少ないのです。えっ、私ってバカなの やっぱり。

かく言う私の水星の状態も最悪に近い状態ですから、笑って済ますしかありません。

 

占星術の基礎として最下層に留まる月の占星術、ホラリー占星術を充分に学んでくると、下から二番目の惑星である水星の天球にやって来ます。その月から、階段を一つ上がった水星のところで、自分の理解力の悪さに嫌気が指します。トラディショナルな占星術は、とても厳しい側面を持つ事をこの惑星(水星)の天球で思い知らされます。

私が奇妙な考え方をするのは、やっぱり天王星の影響かしら・・・

 

いえいえ、天王星は世代を通して作用する大雑把な惑星ではなかったのでしょうか。モダンな占星術の教科書の、どこかに確かに書かれているはずです。

 

ここでもう一度、ご自分のネイタルの水星を観察してみましょう。


良い状態の水星

惑星の良い状態というと、コンバストで無いことがまず挙げられるはずです。ご存じのように、理解力を示す水星はほとんど太陽に隠れて見えません。これ一事をあげても、なかなか水星の良い状態が少ないことに気付かれるでしょう。貴方の水星も、私の水星も、そんなに良くはないのです。

 

カーディナル・サインにあることが理解力を高めてくれます。ミュータブル・サインにあれば安定性を欠き… とあります。フィクスト・サインにあるのは慎重さを意味していて理解力は良いわけではないけれども、コツコツとやり遂げることになります。

この安定性に関して、私の水星はミュータブルなんだけど… 面白くないですね。世の中の全ての人が安定性ばかりを追い求めていると、それこそ発展的な考え方なんて出てきません。安定性が無いことが重要な場面が用意されているものです。

 

又、水星がミュータブルでも、アセンダントのロードはアングルかサクシダント、水星もアングルかサクシダントだと安定性を取り戻します。良いのやら悪いのやら分かりませんが、安定性を好きではない方にとっては残念かもしれません。ベンチャーが好きな人にとっては面白くないかもです。

逆行をしていないこと。なんて事になると、水星は一年に3回も逆行しますから、これ又、水星の順行の時間に生まれている人が少なくなります。そして、早い動きを持っていないといけません。スピードとしては、平均スピードが0.59度ですが、1.30を順行で越えていて欲しいものです。これは、生まれる前日の水星の位置と、生まれ日の水星の位置で計れます。だからといって、1.50を超える人は、あまりにも考えるスピードが速すぎて無節操になると。ほどほどに早いのが良いです。

 

更に、最も高い理解力を持つ人は、上記の条件を備えながら風のサインに入っていないといけません。♎♒♊のサインです。この中でも、特に、その次にのサインが好まれます。

 

もっと細かく言えば、理解力を高く示す水星とは、テイルやヘッドとコンジャンクションしていて(これだけが他の惑星とは違います。もちろん、ヘッドの方が良いです)、凶星とコンジャンクションやクォータイルやオポジションからアスペクトされていず、デトリメント(魚・射手のサイン)やフォール(魚のサイン)に無いことが条件となります。

 

更に、これにモラルを付け加えられる場合には、月の方が命令をできるサインの中にあり、水星がそれを受け入れるサインでなくてはいけません。しかも、セキスタイル・アスペクトを為していなければいけないのです。それも、正しくは月が光を増している状況の時です。

 

プラスの条件では、良い状態の土星とオポジション以外のアスペクトを為していて、更にレセプションのあること(気高い学問を持続させる)、火星とは一切のアスペクトから切り離されていること。水星はアングルに入っていること。できればオリエンタルに在ること。木星とセキスタイルかトライン(高潔で正しい判断を与える)であること等々、更に条件が付け加えられていきます。

 

惑星がアングルにあることはとても大事なことですから、水星がケーダントにあると、観察してきたせっかくのこれらの良い状態から来るその力は、発揮できないことになります。9ハウスのケーダントは、幾分割り引かれます。とすれば、悪い状態でケーダントにあることは考えてみたくもありません。文字は読めても理解力が無い、学問を学問としか捉えられず実生活に活かせない等となります。


理解力を示す水星は、コールドでドライな星です。

土星もコールドでドライな星です。水星はドライが勝り、土星はコールドが勝っているという違いがあります。ですから、これら両方の智慧の惑星には、良好なアスペクトが在った方がいいのですね。

 

水星は極端にドライなので、モイストを嫌います。よく、水星は月を好きではなく、月は水星を好きではないと言いますね。理解力と感情が頭の中で喧嘩をすることってよくあります。分かっている。分かっている。でも、やめられない。煙草、飲酒、浮気、無視、ギャンブル、etc.

 

ですからコールドでモイストが好きではありません。魚のサイン以外の水のサインも好まないのです。♋♏

 

ますます、私たちの理解力の高さというのは遠のきます。

 

コンバストだけでは無く、アンダー・ザ・サンビームス(太陽から片側17゜)も欠点になります。理解はしていても行動が伴わない人になると書かれています。特に水星がこの状態で逆行をしているなら、毅然とした態度でそれに打ち勝つ必要があります。何故なら、行動力の無さを惑星によって示されたとしても、改善はできるからです。

 

行動力の無さ。それって、私、となる人は多いと思います。何故なら、水星は一年のほとんどをそういう状態で過ごしている(アンダー・ザ・サン・ビームス)からです。

意地悪かどうかというのは、先ほど、火星とはアスペクトしていない方が良いと書きましたが、それと関連があり、水星と火星の0゜(コンジャンクション)、90゜、180゜がそれを作り出します。

 

とても難しいのですが、水星は月とセキスタイル・アスペクトであるのが良いとあります。が、この時、月が水星にアプローチしていなければならないという細かな条件が含まれています。じゃあ、セパレートしていたらどうなるのか。心の許容量が小さくなるのです。セキスタイルしているだけでも理解力が高いのですから、まあ、良しとしようじゃないですか。

おっと、貴方の観察は、チャートをホール・サイン・システムで見ているでしょうか? 水星が12ハウス、だめだめか~。アセンダントと同じサインなら、そこはアングルです。

ホール・サイン・システムとは下記のようなものです。

西洋占星術 ホール・サイン・システム

 

すばらしい水星を持つ人はとても少ないものです。

考えてもみて下さい。貴方の理解力は高いものでしょうか?

 

 

※ 参考文献

  • The judgments of Nativities アブ・アリ・カヤット著 スペインのジョンがラテン語に翻訳したものから英訳した James H. Holden の訳
  • On Nativites マシャ・ア・ラ―著 Benjamin N. Dykes の訳
  • クリスチャン・アストロロジー ウィリアム・リリー著 レグルス出版社

 

 

水星と月 その2.