■ 7ハウス 恋人・配偶者・敵対者のハウス



● 7ハウスの意味

 

  その場所は、アセンダントの反対側です。7ハウスのカスプの5度下から、8ハウスのカスプの5度ぐらい手前までが7ハウスです。

 

 

新月は、7ハウスで見え始める

 

  古典的な占星術では、ずっと長い間、月が7ハウスの支配星でした。今も変わらずに、7ハウスの支配星です。月にとっては相応しい場所で、月が生まれる場所と言われます。したがって、7ハウスは月のハウスです。月が新月から生まれる場所は、必ず7ハウスだからです。また、カルディアン・オーダーでも7番目の月は7ハウスを司ります。

 

  一方、太陽がこの位置にある時間帯も、日の出と共に、とても印象的な時です。しかし、注目すべきポイントは、太陽が沈むことで、夜が訪れることです。エジプトの哲学は人生の終焉として認めています。力のない植物達は、c実際に一日で枯れてしまうことはないのですが、枯れ、消失を示すと考えました。そして同様に、太陽の降下・日の入りを死と結びつけて考えたとしても、おかしくはなかったはずです。マニリウスは確かに死の意味を持っていると考えていたようです。

 

  しかし、時代の変遷の結果、より弱いハウス、8ハウスに死の座を与えています。アセンダントと関係が強い(オポジション)ということで、7ハウスは実際には力のあるハウスです。ホラリーで、8ハウスは死と関係する事実として捉えられますので、納得せざるをえません。

 

  マニリウスからアラビアへ占星術が伝わった時代にかけて、急速に占星学が発展したとみられる時期があります。その辺の歴史はよく見えてきません。しかし、破壊・崩壊・死出というのは8ハウスで始まっていると、その時期に定着していったとみられます。

 


● 死の意味を免れて

  さて、実際の「死」の意味を免れた7ハウスは、どのような意味を持つのでしょう。アセンダントの真向かいに位置することから、恋人であり、配偶者であり、パートナーです。

 

  天秤のサインだから、バランスを受け持つもう一方の「他者」を表すわけでも、天秤のサインから導かれた金星から、恋人や配偶者が導き出されているわけではありません。これでは、敵対者が導き出せないのです。

 

  7ハウスは、アセンダントと同等な他者です。

 

  恋人も、敵対者も、共同経営者も、同僚も、全てが、ハウスの意味から導き出されました。

 

  何遍も言いますが、サインとハウスは別の概念です。

 

  アセンダントとオポジションにあるから、ライブル、そして、男性/女性に分けた場合の対等者、一時でも夜の相手をした人でも、7ハウスです。

 

  ついつい恋人や配偶者だけと思われがちですが、対等者にしたときに、直ぐに意味が通ってきます。したがって、直接に、結婚のハウスではありません。結婚を示すこともある、だけです。

 

  恋人との質問では、確かに7ハウスのロードを観察するのですが、これは、結婚を観察しているわけでも、同棲を観察しているわけでも無く、単に、相手との自分の思いの軽重を計り見て取っているだけです。「だけです」でも、時には、深い思いが成就することもあるとなります。

 

  恋人との仲が良くて、結婚を考えている表示もあり、アセンダントのロードと7ハウスのロード、あるいは、他の表示があるなら、質問次第では結婚を表してくれるかもしれないだけです。

 

  試しに、アセンダントのロードと、7ハウスのロードのアスペクトで、結婚できるとするのなら、多くの恋愛の質問で、結婚ができることになってしまいます。

 

  そんな、単純な話ではないのです。

 

 


  例えば、「(現在お付き合いしている人についての)二人の関係は?」 を問われたとします

 

  男女の関係は、恋人、友人、情事の相手、・・・ ですが、相手との関係はどんな関係なのでしょう。その質問は、相手の気持ちが分からないので質問されたのでしょうか?

 

  愛し合っていると答えれば、こと足りるのでしょうか。

  彼/ 彼女の気持ちが分かれば、それでいいのでしょうか。

  これから、二人の関係が深まっていくかどうかを観察するのでしょうか。

  同棲していた片方が、家出をしたのでしょうか?

  結婚まで至るかを、問われているのでしょうか?

 

  ホラリーは質問ごとに特別な答えが出るものです。問題が最初から恋愛がどうこうという場合には、最初から7ハウスのロードーとアセンダントや月の関係を見ていきます。

 

■ 結婚、恋愛、愛情問題

  結婚、恋愛、情事等について聞かれたときには、まず、アセンダント、アセンダントのロード、月。これらがカレントの状態を示します。次に、7ハウスと7ハウスのロード、これらが、相手の人の状態、相手の人を表します。

 

  ホラリーでは、男の人を表すナチュラル・ルーラーは火星ではなく、太陽です。

 

  女の人は、金星です。これらが7ハウスの問題の主要な要素です。

 

  でも、特定の人を対象として質問されたならば、太陽や金星を含めません。ASCのロードや7ハウスのロードの場合は、採用します。

 

  アセンダントのロードは、7ハウスのロードと、どのようなアスペクトを持っているでしょうか?  

  加えて、月と太陽に、何らかのコンタクトがありますか?

 

  もし、アセンダントのロードか月が7ハウスのロードに近付いていたとしたら、あるいは第7室に入っていたら、カレントは強くこの相手に対して、結婚への期待を持っていることの表示です。

 

  それらが、スクエアやオポジションといった関係で、ディグニティーを持っていてレセプションの関係であれば、ゆっくりとですが成就へ近付いていることを表しています。

 

  7ハウスのロードがアセンダントのロードや、又は、7ハウスのロードが1ハウスにある場合は、きっとこの問いを発したカレントは、易く結果を手に入れることでしょう。もちろん若干の条件があります。

ホラリーではこれらのことを検証しますが、ネイタルでは若干違った解釈が為されます。

  • 以下、様々な質問を示します。
  • 結婚はちゃんと成されるか?
  • 結婚した方がいいかどうか?
  • 不倫の有り無し
  • 本当はどんな人なのか?
  • かかあ天下かどうか?
  • 結婚しようとする彼女はリッチかどうか?
  • 筋の通った結婚かどうか?
  • 結婚後の状態
  • 不和

  離婚の問題と理由 等々 の愛に関するハウスです。

● その他の 7ハウスの意味

  結婚生活、相手の浮気、内縁の妻、内縁の夫、訴訟、口論、盗難、言い争い、共同経営者、顧客、中年期に向かうハウス、コンペティション、就職やコンテストの場合のライバル、取引相手、引っ越し先の状態、診察してくれる内科医

 

  西のアングル、女性格のアングル

 

  マニリウスは、「まさしく、ここで、太陽の光は死ぬ」と吟じています。

アストロノミカ、p155