「星を読むことができるとしたら、それを書いたのは誰?」


■ 西洋占星術は自然科学的でしょうか?

占星術は唯識論という世界観に、とても近いものです。

 

 西洋占星術は、自然科学とは全く別世界のものです

西洋占星術は哲学的であり、宗教性を帯びているものであり、精神性を最大限持つものであったりします。その範疇に自然科学は入って行けません。自然科学的な視点は持っています。でも、自然科学と相容れない要素を多々持ち過ぎています。

 

ネイタル占星術(誕生に基づく占星術)は誕生時間を使っているので自然科学的に見えます。でも、自然科学が認める誕生とは、DNA確定(受胎)の時です。それに対して西洋占星術やインド占星術で使っているのは、子供が生まれる瞬間、最初の呼吸をした時間です。これは、どうあがいても自然科学的な誕生時間とは違っています。出生時間というのは、お医者さんの都合であったり、帝王切開によってであったりして、かなり人為的に左右されるものです。それでも、占星術はこの最初の呼吸をした時間の方を使っています。

 

自然科学的な視点を占星術に持ち込むと、ネイタル占星術とホラリー占星術が別の分野のものに見えてしまいがちです。

 

 西洋占星術におけるホラリー占星術は、実は魔術であって、占星術では無い?

 

ネイタル占星術とホラリー占星術を、占星術のジャンル以外で区別したい気持ちは、おそらくネイタルの方がより自然科学に近いものだという認識から来るものでしょう。

 

アル・ビルニの本『The Book of instruction in the elements of the art of Astrology』を読み返してみました。「ホラリー占星術はまじないである」と書いてある所を私は知りません。(2008年8月1日)ある所を越えると、占星術とは呼べない所に行ってしまうと、「魔術のことを匂わせる」ような部分はあります。アル・ビルニはテトラビブロスの記述を偉大な西洋占星術師によるものと勘違いしていたのです。

 

よしんば、まじないであると書いていても、ホラリー占星術とネイタル占星術の差は、自然科学的なものではありません。両方とも西洋占星術です。もし、ホラリー占星術が占星術でないとしたら、占星術とは何でしょうか。

(ホラリーとネイタルのテクニックは、同じということはありません。細部では確かに異なっています。例えば、「私は就職できますか?」という質問では、ネイタルのアセンダントのルーラーや月と、10ハウスのルーラーにアスペクトがなくても、そのネイタルが一生就職できないということはありません。ホラリーでは、アスペクトがなければ、よほどの特殊事情、例えばアンティッションで10ハウスのルーラーがアセンダントにジャストオンしているような場合で無い限り、今問題になっている就職はできません。)

 

ホラリーは、質問の誕生時間という、説明に苦慮する曖昧な「時」を使うからです。 ネイタルは誰が考えても納得できる誕生時間を使っています。 これは、本当に自然科学的でしょうか。ネイタル占星術だけが占星術ではないでしょう。ネイタルだけが自然科学的で、ホラリーと一線をかくしているともけして言えません。なぜなら、ネイタルが自然科学の範疇に近いとすれば、DNA確定の時(受胎の時)を使うはずです。それなのにネイタルは、何故、最初の呼吸の瞬間を誕生時間として認めているのでしょう?

子供がお母さんの子宮から誕生する時間は、けして自然科学が認める生命がこの世に命を受けた瞬間ではありません。ネイタル占星術の方がより自然科学に近い学問であるとするなら、遺伝学的なDNA確定の時よりも、呼吸の瞬間こそが自然科学的に認められる誕生時間であるという証明をしなければいけません。

 

占星術が自然科学的なものならば、天文学的な新たな発見も充分考慮に値し、占星術に取り入れることができるでしょう。何故なら、宇宙の様々な要素は、誕生の瞬間にその魂を構成する要素になるかもしれないからです。厳密な生命の誕生の時とは、受精してから数秒後のDNA確定の時です。誕生前の記憶を持つ子供達の中には、「ポチャンと音がしてそこに入った」いう人もいます。

 

私達占星術愛好家は呼吸の瞬間を誕生時間として使っていて、天文学的(自然科学的)な発見を占星術に次々と入れ込む必要が無い立場にいます。とすれば、ホラリーという質問の誕生時間を使う占星術と、 ネイタルという、人が産まれる時に最初にした呼吸の瞬間を使う占星術の差は そんなに無いことになります。

 

私たちが取り扱っている占星術は、どこか説明の付かない神秘的なものでありながら、その中にあって、魔術や呪術と、定義的にどこか異なっている部分を持つものです。定義されていないものを扱いながら、きっとどこかに占星術と、魔術や呪術との差があるだろうとも予期します。予期というより、感じていて、必要となった時に考えればいいだろうと。この考え方を押し進めるには、魔術や呪術の定義から始めなければいけません。


 

 

惑星の光 7つの基本的な惑星 学ぶ姿勢 星占いの世界 占星術の本質1

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2007年 9月10日

2010年11月11日改訂