ディグニティー 02

エッセンシャル・ディグニティーとは?

 

車が二台あるとします。一方は10tトラック、もう片方は流線型のスポーツカーだとします。力を比べると、10tトラックの方は名前の通り10tの水を乗せて運べます。現代の日本なら、人々が羨望の眼差しを向けるのは流線形のスポーツカーの方だと思います。

 

どちらかの車をあなたにあげると言われたら、どちらを選びますか?  おそらく、ほとんどの人がスポーツカーを選ぶのではと思います。実は比較できないものを無理に比較しています。

 

目を向ける基準が同じなら比較できますが、美しさと力強さは比較できません。

エッセンシャル・ディグニティーとは、その質問にとって基準となるもの(エッセンス)の量と言えます。常に計れるモノばかりでは無く、時には感覚的につかむしかない基準もあります。それを表すのがエッセンシャル・ディグニティーです。

 

質問の中に基準となる言葉は滅多に出てきません。それで、リリーは常識を加味して使えと言います。スポーツカーを選ぶのは、時代や生活背景を基にしているはずです。もしも、多くの資材を運ばなければいけない時代や生活環境であるなら、トラックの方を選んでいたでしょう。

 

同じスポーツカー同士なら、その選ぶ基準も一本化できそうですから、それはエッセンシャル・ディグニティー同士の比較となります。

 

そう説明していて、実は私自身もますます分からなくなりました。エッセンスとは何をもってエッセンスとするのか? 時と場合によって変わる事だけは確かです。エッセンシャル・ディグニティーには、計ることのできる点数が割り振られています。一方の、アクシデンタル・ディグニティーの方の点数は、有っても無いようなものです。足せないのです。  

 

アクシデンタル・ディグニティーの中身は、全く別個のものなのです。しかし、エッセンシャル・ディグニティーに付いて言えば、それぞれの要素はその純粋性というか(文脈上の純粋性なのですが)、私達が時に応じて共通に感じるであろう、何かなのです。

 

それが、占星術上のエッセンスです。

 

 

分かってもらうしかないのです。それは力強さではありません。純粋性であり、らしさであり、時に応じて感性に訴えかけてくるものです。

 

それが、エッセンシャル・ディグニティーです。

 

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