私にとって始めてのネイタル講座は2012年の春でした。しかもスポットで行ったものでした。
そのころは中世ヨーロッパで行われていた占星術を基礎としたネイタル占星術のお話をさせていただきました。
その後随分迷走していまして、中世ヨーロッパの占星術の何かがもの足りないと心の奥底で渦巻くものがありました。チャートをしっかりと読めない感覚があったのです。それで生徒さんの募集もしていませんでした。
その後に読んできた文献類が役に立つ書物に出会ったのです。チャールス・オバート氏による『古典占星術』です。
次のネイタルのスポット講座は、2025年10月4日~5日です。場所は金沢
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講座ではヘレニズム占星術を基礎とした、現在世界の潮流になりつつある占星術の至宝となるものです。まだ完全に解明されていないものですが、確かな技術があったことが学びだすと分かります。
私自身も本を読むだけでは解明することができませんでした。しかし、やはりちゃんと記述されていたのです。解釈ができる段階に至るまで、それらヘレニズム占星術のテクスト類は暗号のようにそこにずっと居座っていたのです。
ですから、一気に初期アラビア占星術を飛び越えています。
そこでは、テトラビブロスも大事な書籍の一つになります。確かに地学者が書いた本ですが、一部の内容はヘレニズム時代の考え方を色濃く残しています。
ヘレニズム占星術を打ち立てたヘルメス・トリスメギストスを名乗る人物のテクストは、ほんの一部の断片しか残されていません。
そして、彼の教えはアスクレイピオスを名乗る人物に引き継がれ、ネセプソやペトシリスを名乗る人物へと引き継がれていきました。
その後のテクスト類は比較的残されていますが、それでも現在知られているのは20冊に満たない数です。私はそれらの全てのテクスト類を読んでいませんが、おそらく読むだけでは占星術としてネイタルのチャートをどう判断するかは分かりません。私もその経験をしています。全く読むだけでは意味不明というか、解説者が居るのです。
最初に出てくるのは「セクト」の概念です。字づらを何度も読んでいるはずなのですが、これが重要であることに気付くのに10年以上もかかっています。単にチャートを昼と夜に分けているだけなのですが、、、
それに気が付いてテクスト類を読んでみると、確かに確かに、同じ惑星を捕える概念が、昼と夜に明確に異なっていることが分かります。
たったそれだけのことが気付けないのです。そりゃ、それを一度でも聞いたら忘れはしませんから分かるのですが、モダンな西洋占星術の言い伝えの中で、夜と昼、昼と夜の違いから入る書物がかつて有ったでしょうか? 無いはずです。
ヘレニズム占星術では惑星の詳細な査定・分析から入ります。文献類を読んでも理解できなかったのは、星々の解釈がきっと書かれているだろうと「思いながら」読んでいたからなのです。最初からチャートを判断せず、単に、惑星をどう分析・査定をするかが書かれているだけなので、それを解釈の方法として読んでいては、当然理解できるわけがありません。
それに気付けば、後は文献類がどのような惑星の査定を行っていたのかが明確になり始めます。
講座で行うのは、この惑星の分析方法全体です。これはほぼ解明されています。
私たちがアラビアの占星術を知って、中世ヨーロッパの占星術を学んで知り得た、エッセンシャル・ディグニティーや、アクシデンタル・ディグニティーよりも更に踏み込んだ天文学的な惑星の動きに基いた判断が幾つもあります。
それこそが、ヘレニズム占星術が引き継いだ、それ以前の占星術の膨大な大系だったのです。
ホロスコープを使う占星術の原型のことを、ヘレニズム占星術、ホロスコピック占星術と呼びますが、突然その技術が構築されたわけではなく、メソポタミアを通じエジプトを通じて伝えられた多くの占星術の体型の融合だったのです。ただ、サインのルーラーなどは確実にヘレニズム占星術で整えられたに違いありません。サインのルーラーは、ホロスコープと密接に関係があることから、そう言えると私は考えています。
イグザルテーションのルーラーは、ホロスコピック占星術が整えられる随分前から存在していたということも、歴史は証明しています。
ネイタル・リーディングの本 | 推薦図書 『星の階梯シリーズ』