C.A 「If she should marry the man desired ?」

チャートを掲げます。リリーの説明では、カレント(女性)は逆行している水星で示されていてアンダーザサンビームズにあるので、ちょっと不安を持っているとしています。C.A389p

 

意気込んでレセプションに取り組もうと思いましたが、このチャートではそれ無しでも判断できています。ただ、考慮の外に置かれているわけでは決して無いことも分かってきます。リリーは常に頭に置いていたのです。

 

チャートの木星の位置を観察して、りりーはそれとなくクライアントにその不安の要因を尋ねたか、彼女が自ら述べたのかは分かりません。彼女はその理由も彼女自身で分かっています。彼が、他の女性に不義を働いたらしいのです。私の想像では、きっと、リリーはクライアントから聞いたのでしょう。そうでないと、リリーは彼の不義を見つけたプロセスも書いていたはずです。

 

 

そのことは、木星からセパレートしている金星が示しているとリリーは書きます。ここでは確かにそうなのでしょうけれども、常に金星が他の女性を示している事はないでしょう。

 

デボラ・ホールディング女史は、よく金星を他の女性としていますが、ここは私の意見とは違っています。やはり、金星の入っているハウスが関係しているのだと思います。あるいは、アスペクトや、ディスポジターでしょうか。研究の余地があります。

 

カレントは水星、そして月です。彼を示すのは木星です。

 

コースで教えてもらった方法で解いて行くと、アングルにある木星だけを観察しても、彼は月に支配されていますから(ぞっこん惚れていると解釈できます)、何も問題無く彼女を愛し続けることになります。

 

でも、リリーはそう書いていません。ちょっと骨折りも必要だよと書いています。何故?

 

 

セミセキスタイルを持ち出すリリーですが、金星と水星のことを指しているのか、木星と水星のことを指しているのか判断しかねます。good houses と書いているので、おそらく木星と水星のことでしょう。ここに希望を持ったリリーは、愛の火花が散っているんだよと! アンティッションにはなっていますが、それをセミセキスタイルと呼んでみたのかもしれません。でも、このアンティッションは1度ずれているので採用しません。 

 

次の説明が、頭の切り替えがいっていない私にはやっかいでした。

 

『月は木星から□でセパレートして、アングルに入っているアセンダントのルーラー水星に△で近づいている。』

月によるトランスレーションを言っています。次です。

『その逆行の動きで(水星は)、彼女(月)が木星からもたらされた品位を快く受け取っている。』

 

レセプションを期待しますが、これは文脈から、アスペクトを受け取ると読めます。リリーはレセプションのことも、アスペクトのことも随所でレシーブと書いているので文脈から判断するしかないのです。でも、確かに月が木星をサインで受け取っているのです。

 

ディグニティーの表の木星の行を見ると、サインの所に月が入っています。これは、客(木星)が、女主人である(月の)場所に入っている事です。月が木星を客としてもてなす、他に良い表現を現実に合わせて探せそうな気がしますが、そういう位置にあります。

 

月もクライアントを示しますから、明らかに木星(男性)にとってクライアントの気持ちを受けやすく、一目も置いていると言えます。

 

その月は、受け取った木星の光を水星に届けます。


受け取ることとアスペクトの両方の必要なレセプションの概念では、ここに月と木星のアスペクトがあれば、レセプションです。でも、アスペクトはセパレートなのです。正確なレセプションではないでしょう。その正確なレセプションでは無い状態を月は、水星に運んでいるので、リリーは脈ありと読んだのです。

 

ディグニティーの表から水星の行を観察すると、木星がデトリメントに入っています。水星(クライアント)は木星(男性)から快く思われていません。そう解釈すべきなのですが、その実生活上の意味は、彼ら二人の立場に沿って別の言葉になるはずです。

 

この問題はリリーが積極的にレセプションを使わないまでも、リリーが186pで述べることに当てはまります。

 

"If the aspect be trine or sextile, it performs the thing, whether the significator be received or not; provided the aspect be not separated but applying."

アスペクトがトラインであるかセキスタイルであるならば、表示

星が受け入れられるかどうかにかかわらず、それは物事を実行す

る。アスペクトがセパレートでは無く、アプライで配当されて

あるならば。

 

トラインのアスペクトであり、木星にもディグニティーがあるからそう判断したのだと考えます。木星は、月や水星を快く受けとってもいません。少しの苦労があるのは、アスペクト(トランスレーション)はあるけれども、彼にカレントに対する深い関心がチャートから読み取れないからです。

 

しかし、木星の品位を運ぶ月と水星の間に、セキスタイル・アスペクトが存在する事、木星がアングルにあること、良い惑星である木星がディグニティーを持っている事等々、木星が配された位置からレセプションは無いけれども答えが出る例です。

 

ただ、私が習ってきた事柄では、少しの骨折りがあるという部分が全く導き出せません。とてもイージーな質問になってしまうのです。

 

また、アラビックパーツのP.o.Mも今のところ非常に有効に働いてくれていて重宝しています。ASC+DESC-金星です。このチャートでは蟹のサインの15.50になります。しかし、これもディスポジターを使うことから、きちんと再考すべき事柄を抱えているように思います。