4つのエレメント



● 気質(気性)と呼ばれるものは、案外論理的に組み立てられています。ここに心を吹き込むことで人間味を帯びることになるのですが、ギリシャの哲学は全ての人が4つのエレメントの組み合わせの違いによってできているとしました。ですから、全てのエレメントがそれぞれの人に吹き込まれていて、相手が分かるということは、自分にもそのエレメントがあるということです。

 

また、人は鏡ということにもなります。人は相手の人に、自分の持つ要素以外のものを見ることはできないからです。嫌な相手というのは、その嫌な所が自分にも在るということです。それを見せつけてくれるのが他人です。1日100万円を使う人の気持ちは、自分も毎日100万円を使わないと正確には分からないのと同じです。1日100万円を使う人の、ある部分は分かるでしょう。それは、自分の気質要素の部分だけです。

 

Yellow Choler(H & D)

胆汁質(黄胆汁質)

Heat (Hot)         Dryness (Dry

熱さ              乾燥

 

  Sanguine Temperament(H & M)                Black Choler(C & D)

  多血質                             黒胆汁質(憂鬱質)

 

          Moisture (Moist)          Coldness (Cold)

             湿り気              寒さ

 

Phlegmatic(C & M)

粘液質

 


黄胆汁(胆汁質)ホット&ドライ

● 怒りっぽいエレメントである黄胆汁質は、熱と乾燥の品質を持っています。火性は高いエネルギーを持っていますが、何かと何かを結び付けることはありません。つまり、火は高いエネルギーを持っていて、それはある特定の部分に集中し続ける熱であり、これは炎症の明確な映像となり、典型的な黄胆汁質の現象となります。

 

心理的には、あまり考えずに自分が正しいと思うことを衝動的に行ってしまう火性の人に適切な表現となります。「火」の中に宿る二義的な乾燥状態は、その人が(周囲と)結びつかないことを意味していて、「熱」は、彼に行動するための高いエネルギーを与えます。

 


黒胆汁質(憂鬱質)コールド&ドライ

● 多血質の対極にあたるのが、メランコリック気質や黒胆汁質と呼ばれる気質です。コールドでドライであり、これは、暖かくて湿った生命体の性質に反しているために、全ての体液の中でも最も危険なものとされます。

 

コールドと乾燥状態は、つながりのない低いエネルギーの組み合わせとされ、何事かが硬直化していくプロセスのイメージを与えます。黒胆汁質は一般的に、つながりを壊されてエネルギーが流出していく状態で健康を阻害します。関節炎、多発性硬化症、うつ病、便秘など。

 


多血質 ホット&モイスト

● 3番目の楽天的な気質と呼ばれるホットでモイストは、生命の要素である血液と同義語です。体内を流れる血液は、ホット(熱を持ち)でモイスト(湿潤)で、それは結び付きを存続させる生命現象そのもののイメージです。

 

それにもかかわらず、血液が過剰になると、心臓に負担が掛かりやすくなるてめ、循環器系等の病気を起こしやすくなります。それは又、神経過敏症、極度の疲労、偏頭痛、および出血をもたらすかもしれません。これらは、自発的な出血(献血)をすることによって適宜、肉体の回復を試みることができます。昔の瀉血システムは多くてせいぜい120CCでした。現代の献血は400CCが主流です。瀉血が迷信である理由が分かりません。

 

血液の超過は、感染症にかかりやすくなるというのも、血液のその湿潤な性質によって、本来持つ熱を減少させ、免疫システムを徐々に弱めるからです。

 

ホットでモイストな惑星は木星しかありません。木星が血液を表します。時に火星が血液だと書かれている本がありますけれども、火星はホットでドライなので間違っています。怪我をして流血をするなど、体外に流れ出た血が火星です。

 


粘液質 コールド&モイスト

● ホットでドライの胆汁質の反対側に位置するのが、コールドでモイストな粘液質、または、粘液、又は水性と呼ばれるものです。水性は冷たさと湿り気を特徴としており、それが過剰に存在すると粘液のような現象を進行させ(精神的にも、ねばついた状態)を引き起こします。形を取らない液体が充満しているようなものです。

 

それは下痢として、又は老化、又は認知症として明示されるかもしれません。いわゆる水性の性質の特徴的な形は、風邪、インフルエンザなどで鼻汁がでる状態、気管支炎、及び副鼻腔炎などでもそうなります。鼻腔から粘液が溢れ出すなら、ひどい風邪をひいていることを確信できるでしょう。

 

粘液は、又、感情の要素にもなりますから、悲しみが過剰な粘液の涙として流されるのも知っているはずです。ある感情の高ぶりは、熱だけではなく粘液にも関係しているかもしれません。

 


4つのエレメントは、感情の要素としても働きます

● 病気は「気の病」と書きます。肉体もエレメントで構成されていますが、感情や気持ちもエレメントで表現されます。そして、感情は肉体と同期していますから、心の持ち様で病が癒えても構わないわけです。もちろん、治療としては肉体面・精神面の両面から取り組んだ方が早い回復を望めます。

 

肉体が癒えても、患者は多くの場合同じ病になると、多くのお医者様が嘆きます。

 

体を治すのは、最後は自分しかないのだという自覚を持ちたいものです。