ドラゴン・ヘッド & ドラゴン・テイル


ドラゴン・ヘッドの元々の意味をこのページでは書いていません。一つの意味は、「入っているハウスにとって良い」、です。一方の、ドラゴン・テイルは、「入っているハウスにとって悪い」、です。

アブ・アリ・アル・カヤットのネイタルの説明に、ヘッドやテイルのものが多くあります。全てを解説するスペースはありませんが、ドラゴン・ヘッドが3ハウスに入っているとtrue dreams(文字通りだと、真実の夢=正夢と見る)を約束(promise)するとなっています。

 

何故?  9ハウスでは無いのか?

ちなみに、彼は、9ハウスのドラゴン・ヘッドは信用を示すと著していて、それは3ハウスに関わる風評の一種ではないかと思うのです。問題を2つも上げてしまいましたが順に解決していきたいと思います。

 

これら(信頼[世評]・夢)は元々、アブ・アリも2つのハウスを見ることになっていると書いていますから、間違いではありません。

 

まず、9ハウスの事柄では、その人の持つ「ネイティブの法(low)」を遵守するとかしないを指し示すと述べています。イスラム社会では、これが信用に関わるわけです。

アブ・アリの言う「ネイティブの法」とは、ネイタルが自分自身に課した宗教観によって規定される法を意味していて、イスラム教の世界での宗教的規定をその人がどれだけ遵守するのかというような見解までを(9ハウスが宗教と哲学的態度を示すので)、表すとしたのでしょう。


1.問題はここにあります。正しく生きる(3ハウス☊)人は、信頼のおけない人(9ハウス☋)となるのでしょうか。

 

2.信頼のおける人(9ハウス☊)は、日々の生活が緩慢となり(3ハウス☋)、正夢を見れないのでしょうか?

オポジションとなる3ハウス ⇔ 9ハウスは、このような矛盾を生じてしまいます。

 

正直に生きる人は、正夢を見、信頼のおける人は、正夢を見ません。

9ハウスにテイルが入っていれば、当然、3ハウスにはヘッドが入ることになるからです。


実際にはそんな事は無いでしょう。規律正しく、行うべき事を即座に行う人にこそ、正夢はやってきます。だらだらした生活をしている人には、この感覚が来ているにも関わらず、気付けなくなります。人は誰でも夢による啓示と啓発を受けているものです。受け取っているのです。古代人もそれを知っていたからこそ、夢を9ハウスとしていながら、3ハウスにヘッドがある人が正夢を見るとしたのだと思います。

ここには論理の飛躍がありますが、そうとしか考えられません。

ここで素直に占星術に向き合うとすれば、どちらに☊や☋が入っているにしろ、正直に生きている事を前提としているのだろうと考えざるを得なくなります。その上で、3ハウスに☋が入っているからといって、その人は日々いい加減なことしかしない、というわけではないのです。

 

9ハウスには、又、その人が一生懸命生きるかどうかの判断も加えられて行きますから、3ハウス ⇔ 9ハウスを合わせて読む時に自ずと答えが出てきたのです。