惑星のオーブ



 オーブ I

  惑星はオーブというものを持っています。惑星のオーラのようなものです。

 

  太陽の側に近づく惑星達はその光によって隠されてしまいます。このことを観察した古代の人達は、太陽の回りに一種のオーラがあると捉えました。これが、オーブの始まりです。惑星はそれ自身の回りに、強く影響力を与える領域を抱えています。

 

  それぞれ片側の幅ですから、随分と広く拡がっています。太陽が15度、月が12度、水星7度、金星7度、火星8度、木星9度、土星9度等、占星家によって若干違っています。それは、オーブの端が分かりにくい為です。陸と海の境は、波打ち際で観察していてもよく分かりません。そのようなものです。

 

  ウィリアム・リリーはオーブの幅を両側を足してこの幅だと誤解していたようで、それぞれの半分を考慮していることがあります。(C.A 107p) 表には一般的なオーブの幅を書いています。

  •  9゜
  •  9゜
  • ♂  7゜
  • 15゜
  • ♀  7゜
  •  7゜
  • 12゜

  火星は、8度の写植間違いではないのかなと思います。そうすると、上記の数字(7~9世紀のアラビアのもの)に合ってきます。(C.A 107pより)

 

  彼がオーブの幅を多少誤解していた事を、私はボイドの項で書いています。そうではありながら、もともとオーブの幅が考慮の重要な部分ではありませんから、リリーは全く誤判断をしていません。オーブは重要では無いというのは、こういう歴史的な事実からも汲み取れます。


  惑星に固有のものであり、アスペクト等の角度によって違う事はありません。

 

  考慮の対象になるオーブは、物事が完成されるか、あるいは又、物事が完成しないことを観察しているときに生じます。惑星A.と、惑星B.が近いうちに角度による角度に従ったアスペクトを完成させるか、コンジャンクションを完成させる時に、A.とB.が結び付くまでに邪魔立てする惑星が無いと仮定して、彼らが互いのオーブ内にあれば、良い事であれ悪い事であれ物事は完成します。

 

  しかし、同じサイン内でありながら、惑星A.と、惑星B.が互いのオーブを足した以上に離れていると、物事は完成をみません。


● 惑星のオーブの幅それぞれを動かして考えるのか?

  角度により角度に従ったアスペクトの考慮は、必要なこともあり、不必要な事もあります。物事の完成を観察するなら、角度による角度にしたがったアスペクトも必要なことが多々あります。サインを越えてから角度による角度に従ったアスペクトを取る事もあります。

 

  サインを越えてから角度によるアスペクトが完成される時 参照 ボイド

 

  一般的に、惑星(A.)は、サインの端に至るまでに、他の惑星(B.)とアスペクトなりコンジャンクションをしないのであれば、次のサインに至るまでも考慮できます。ただし、私の経験では、サインを越える場合は近づく惑星の方のオーブのみを考慮します。このことは、サインを越えることで、完成に至る何か一つの条件をクリアすることを示します。従って、近付かれる惑星のオーブが使用されてしまったかのようになっています。

 

  2つの惑星のオーブの幅を越えて効果の出るアスペクトはありません。


  サインの端をその出来事の終端位置として捉える事も有ります。

 

  例えば、スポーツの試合等では、全ての惑星を次のサインに入れずに考慮します。サインを超えてアスペクトをしても無効になります。


  シリーズ戦のように、今の試合のように判断することが難しい要素を含んでいるホラリーの質問もありますから、この場合にはオーブを越えて良いかどうか、的確に質問の「質」を考慮して判断しなくてはいけないでしょう。


オーブ II

  上記のようなオーブ幅は、広すぎると思われるかもしれません。しかし、月とそれぞれの惑星とのアスペクトで、確実に効果を生じます。

 

  太陽などはサインの15度にあると、サイン全部を覆ってしまいます。しかし、アンダー・ザ・サン・ビームスは両側17度ですから、それよりもオーブは狭いことになります。

 

  オーブは明らかに惑星ごとに決められたものです。

アスペクトという線に固有の概念ではなく、惑星固有のオーラのようなものです。

 

  オーブの観察は行うべき場合と、行わなくても構わない場合があり、どちらかというと、滅多に考慮をしません。オーブの観察に至るかどうかまでの手順を考えてみると・・・

 

1.質問に、物事の完成が必要であるとされているかがスタートです。

 

2.惑星の入っているサイン同志がアスペクトしているかどうかを見極め、

 

3.同じサイン内を移動すれば、数度でアスペクトが完成するなら、オーブの観察は要りません。
  それよりも、妨害者が生じないか、トランスファー・オブ・ライトや、コレクション・オブ・
  ライトが生じていないかの観察の方が重要になります。

 

4.完成を示すには、かなり角度が離れ過ぎている。それなら、オーブを考慮してください。

 

  惑星達がオーブ内に留まっているかどうかは、常に観察しているわけではありません。でも、考慮の対象として念頭に置いておきます。

 

  惑星がオーブだけで物事を妨害する事はありません。同時に、オーブ内だからということで物事が完成される事もありません。惑星同士のコンジャンクション又はアスペクトが要ります。そして、確かに惑星達はサインを越えても物事を完成することを示す場合があります。この時こそは、オーブの幅を考慮するものと考えて下さい。

 

  あえて考慮しない場合もあります。それは、ボイドの項で書いているように、期間が限定されているものです。スポーツの短期の試合経過では、サインの端を、その試合のチャートの終端と観察しますから、オーブの終端が次のサインに及んでいても考慮を打ち切ります。


オーブ III

  例題:C.A 401p

 

  リリーはサインを越えた惑星の判断を随所で使っています。401pの例題は、エセックスの閣下がレディングを取り戻せるかについて占ったものです。

 

 

分かりにくいので、作り直します。

 

  彼は、チャートの中の月はボイドであった(過去形)と言います。

 「... this Figure well manifests; the Moon separated (a vacuo) and ...

 

  このチャートは旨く明示している。月は(a vacuo[ボイド])から離れてきていて、...」

 「...; she applied to a Sextile of Mars,...   

  月は、火星にセキスタイルで近付いていた、...」 

 

  そして、火星はフォールだけれど、月は火星とリセプションしているから希望があると書いています。もし、これがボイドであれば、火星へのアスペクトを全く考慮できません。リセプションだけになります。月はサインを越えてそのオーブの内側で火星にリセプションとアスペクトを完成させます。

 

  ただ、リリーはこういう場合にオーブの半分ずつを足しているように思います。何故なら、火星と月は7゜離れているからです。リリーは月のオーブは12゜で、考慮する場合は半分を考慮するのだよとC.Aの439pほのめかしていますから、ここでは近付かれる火星のオーブの半分をも足して考慮しているように思えます。

 

  まるで、サインを越えた場合にオーブを半分にして考慮しているようです。

 

  それは、ともかく、サインを越えてアスペクトなりコンジャンクションが完成する場合には、オーブを考慮せざるをえません。何故なら、どこまでも角度による角度に従った惑星同士のアスペクトなりコンジャンクションが完成を示すなら、かなり広い幅を考慮していくことになるからで、それでは際限が無くなります。

 

  そういう意味では、私達の観察を打ち切る一つの限界を示しているとも言えます。

 

  だからといって、全ての事柄でオーブの端を限界としているわけでもありません。本当に占星術はややこしくて厄介です。