ホラリー占星術での 恋愛の判断



ホラリー占星術による 鑑定例

● ウィリアム・リリーはC.A(クリスチャン・アストロロジー)の302p、ホラリーの7ハウスの事柄で、結婚や恋愛の項目に関して、次のように書いています。

 

 『 If a Question be asked of Marriage, behold the Ascendant and the Lord thereof, and the Moon, and the Planet from whom the Moon is separated, and give those for the Significa- tors of the Querent; and the 7th house, and the Lord thereof, and the Planets to whom the Moon applies, for the Signifiers of him or her concerning whom the Question is asked.

 質問が結婚に付いて為されるならば、アセンダントとそのロード(ルーラー)、月、そして月がセパレートしている惑星、このような表示星達をカレントのものとして観察せよ。7ハウス、そしてそのロード、そして月がアプライしている惑星を、質問を為した彼/彼女の相手となる人の表示星達とする。

 

 If it be a man that asks the Question, join the Sun and the Moon with his Significators, and make him partner in the Signification; and if it be a woman, join Venus and Moon, and make them partners:

 質問をする人が男性ならば、表示星達に太陽と月を加え、彼を意味する一員と為すのである。そして、それが女性であるならば、金星と月を加え、それらを(女性の)一員と為す。』

 

  そうは伝えながら、リリーは、385p389p等の例題で、女性の質問者に対して金星を与えず、相手の男性にも太陽を与えていません。又、月がセパレートした惑星も、アプローチした惑星も考慮はしていますが、カレント自身や相手ではありません。

 

  又、リリーはC.Aの124pで、『セパレートしている惑星をカレントの共同表示星としている古代のテキストもあるけれども、そこに私は真実性を見いだせなかった』とも書いています。下記です。 

 『(some have also allowed the Planet from whom the Moon separated as a Significator; which I no way approve of, or in my practice could ever find any Verity therein.)』124pでも、括弧が付いているので直ぐ見つかります。

 


● と、リリーは言うものの、それら金星や太陽、月からセパレートした惑星、月がアプローチする惑星を使って判断する、別の種類の質問も存在するのです。

 

  ここに掲載したリリーの書いた恋愛や結婚の判断のテキストの始まりの部分は、全てを網羅した書き方で始まっています。つまり、1つの判断方法で全てを網羅できるわけではないのに、質問内容によって使い分けるよという説明が無く、これとこれは次のような質問の時に使うとか、この表示体は次のようなケースに使うとか、第三者が登場する質問にはこれこれを使うとか、まったく区別をせずに書き始めているのです。

 

  こういう書き方をするリリーのC.Aですから、読むには年期が必要になります。 

 


  まだ相手の居ない人からの質問・・・

 

  「私には、いつ頃恋人が現れますか?」

 

  この手の質問の場合には、カレントが女性であれば、アセンダント、アセンダントのロード、月、金星を質問者の女性に与えます。質問対象者となる男性には、7ハウス、7ハウスのロード、そして太陽を与えます。

 

  そのように表示星達を調達してチャートを読み始めるわけです。そしてリリーは書いていませんが、リリーにとってはあまりにも当たり前過ぎて、書く事をスルーしているだけかもしれません。観察は、アングルのサインの種類の確認から始めます。つまり、カーディナルなのか、フィクスドなのか、ミュータブルなのかからです。

 

  チャートが完成され、ざっと大まかな惑星達を選択し、慣れてくるなら読み始めることもできますが、その前に、月はどの惑星からセパレートしてきて、どの惑星にアプローチしに行くかは、必ず観察しておくベきことです。月がセパレートしてきた、あるいは、アプローチをする惑星が、質問における、質問者や相手の人物を示すわけではありません。けれども、月によるトランスファーを観察し、判断をよりし易くする為には、分かるデータを書き留めておく事が必要です。後から読み直す必要が無くなるようにするためです。リセプションの関係も書き出しておくべきでしょう。恋愛の判断は、リセプション無しでは成り立たないからです。

 

  エッセンシャル・ディグニティーの表を完成させることこそが、そこからリセプションを読み取っていけるので、読み易くなります。特に、レッサー・ディグニティーによるリセプションは、表を完成させなければ見つかりません。

 

  同じような内容が男性から投げられたなら、質問者であるカレントの男性には、アセンダント、アセンダントのロード、月、そして太陽(男性)が与えられます。まだ見ぬ将来の恋人の為には、7ハウス、7ハウスのロード、そして、金星(女性)が与えられます。

 


  質問が、既に相手の居る人から投げかけられたならば、惑星の選択が違ってきます。リリーが書いていないと私が述べているのは、これらの区分です。ここで書きあげた例以外にも、このような事柄がC.Aの中にはたくさんあります。

 

  相手の既に居る人からの質問では、例えば、

 

  「彼は私を愛してくれていますか?」

 

  だとすれば、まず、カレントにはアセンダント、そして、アセンダントのロード、月が与えられます。あれ、金星は? 質問者の女性には与えないのです。相手の男性には、7ハウス、7ハウスのロード、そして他にありません。太陽は? 時々意味は持っていますが、常にではありません。

 

  いったい、金星や太陽はどのように扱うのでしょう?

 

  相手の居る(話をしたことがないような片思いでも)人からの質問の場合、金星は、相手の男性の側に登場するかもしれない女性を表すことがあります。つまり、相手の奥さんだったり、相手にもう一人居るかもしれない恋人として登場してしまいます。太陽は、カレントの側に居て、質問の際に告げずに居る男性かもしれません。「かも」と私は書いていますが、つまり、必ずしも彼に居るかもしれない女性の実在を告げるわけではありません。そういう「場合も」あるかもしれない人物として登場します。

 


  既に相手も決まり、結婚が目前に迫って来たならば、こんどは金星が結婚の表示星となることもあります。

 

  このようにカレントが置かれた立場によって、質問内容によって、表示星がコロコロ変わる事をどうやって歴代の占星家達は区別していたのでしょう? 

  • 数々の条件による、質問の種類ごとに説明をしていくという方法で区別してきました。

  これらは混乱の元にもなります。正しく伝えたいと考えた方法は、即座に本では伝わらなくなってしまうのです。それぞれの意見が、表示星の選択で違う、おかしい!  となってしまいかねないのです。数年を経てようやく理解できるのです。年期が要ります。

 


  例えば、結婚が決まった人が、

 

  「将来私たちの結婚生活が順調に推移するのかどうか?」

 

  という類の質問を尋ねたとします。

 

  すると、再び、金星と太陽は第三者の女性や男性では無く、結婚する二人の星として登場します。

 

  何故でしょうか?  この質問の場合、「二人の」という限定的な関係を答えれば良いわけです。そこに将来、妻、又は夫による浮気があるとしても、それを予想する質問では無く、結婚生活が旨くいくかどうかの質問内容です。この質問の場合には、アスペクトの種類も重要になってくるでしょう。又、特に角度による角度に従ったアスペクトで無くても構わない事も理解できます。完成を尋ねられているわけでは無いからです。

 

  万が一、夫による側の結婚生活の傾きそれが浮気によるものなのか、金銭的な事柄なのかを別にしてが予想されるなら、金星がアフリクトされた状態でチャートに示されます。金星がアフリクトされる・・・  というのは、妻となる人物がおもしろくない状況に置かれることを予期できるからです。

 

  片や太陽の方がアフリクトされているなら、夫となる人物が面白くない状況に置かれることになります。即座にそのことは、妻が浮気することとは限りません。妻が早くに病気になるとか、妻の親戚にお金持ちが居て、夫の働きの悪さをぶつぶつ言いふらすとか、内容は様々です。この手の質問で太陽がアフリクトされるとは、夫となる人物が嫌な状況に陥る事になると示されているわけです。

 

  同じ情愛の質問でも、内容が異なれば、太陽が弱いということが、性的な能力に欠けるとか、違う男性が登場しているとか、ケース・バイ・ケースによって様々な意味を持ってくることになります。「将来私たちの結婚生活が順調に推移するのでしょうか?」という質問内容に、違う男性の登場を予期することそのものが、意味の無い予測にもなるでしょう。


  又、土星や火星が性悪な異性として登場することもあります。どれもこれも、質問内容次第なのです。リリーは、どのような質問の場合にどの惑星を使用するのか、その区別を全く書いていません。例題を全部読んで理解してよ・・・ って言っているのでしょう。

 

  これらの観察には、リリー以前に書かれた、ボナタスやマシャ・ア・ラーやザエルの書物がとても役に立ちます。