西洋占星術 エッセイ



 サイトの管理者であるKuni. Kawachiです。 私は、中世ヨーロッパ占星術に基礎を置いたJohn Frawley 氏のホラリーコースを、日本人として一番目に卒業させていただきました。

 

 卒業後、日本で、少々難しいですが確かな西洋占星術の技法を教えています。


 私達は、今、西洋占星術にとってとても良い時代に生きています。

 

 なぜなら、21世紀に入ってから、多くの欧米の研究者・翻訳者によって、埋もれていた古代の知恵がラテン語やギリシャ語、あるいはアラビア語から逐次英訳されるという形で甦りつつあるからです。思えば、アラン・レオ以降にまとめられたモダンな占星術が西洋占星術を残してくれたという大きな役割を担った時代が終わり、ようやく17世紀以前の西洋占星術に以前は内包されていた、偉大なテクニックが見直されるという時期に入ったのです。甦りつつある知識の一旦に触れる事が出来るという歓びは、この時代に生きていることを素晴らしいものにさえ変えてくれます。

 

 しばらくの間は英文からの研究を余儀なくされますが、やがて日本語になって登場する日も近いでしょう。しかし、ある意味、この切り替わりの期間は、様々な危険の眠る時期にもなります。私自身の例を挙げるならば、レセプションの意味を取り違えて理解した事があります。古代にはきちんとした形で伝えられていたものを、別の形で受け取ってしまうということが、まま、起こり得るのです。とても危険な時期なのです。

 

 テクニックが存在したことと、チャンスが存在することとは違います。基準点をどこかに置いておかなければ、闇雲に可能な限り古代のテクニックを探し出して使うという、頑固で頑なな原点論者となってしまうでしょう。例えば、レセプションは始めの頃コンジャンクションのみに、しかも同一のハウス上にあるもののみを採用していました。あるいは、アセンダントのルーラーは、アルムーテンを採用するといった時代もあったのです。又、ウィリアム・リリーも当時流行りだしたマイナー・アスペクトをお楽しみに使ったりもしていました。

 

 

 それでも、今やレセプションはアスペクトにあるものも採用するという傾向が一般的ですし、また、サインのルーラーにアルムーテンを使う事があったとしても、よほどの場合で無い限り使わないというのが一般的な原則になっています。

 

 このように一部分を眺めてみても、西洋占星術を正常に戻すという作業は困難を極めそうです。ほとんどの方々は、当たる占星術を求めているはずです。しかも、どのような場合にも普遍的に使えるテクニックを求めているはずです。過去も同じでした。モダンな占星術の世界からかつて聞こえてきた「ハウスの意味は当てにならない」という言葉は、モダンな占星術の世界にとっては事実です。ハウスの成り立ちの背景をモダンな占星術は置き忘れてきたので、知識の一部が滑落していたのです。

 

 もちろん、古典的なハウスの意味が全て正しいのかというと、それにも多くの疑問点を含んでいますし、未だ定着された意味が分からないものも多々あります。例えば、ボランティアのハウスはどこになるのでしょうか? ハウスの意味とボランティアの意味をしっくり馴染ませる考え方を聞いた事がありません。6ハウスであると言われますが、その意味合いが釈然としません。

 

 あるいは、父親のポケットマネーは4ハウスからの2番目5ハウスとされます。しかし、父親の遺産は何ハウスでしょうか? 不動産は4ハウスとなっていますから世襲財産としてそう受け取れます。しかし、父親の流動資産は5ハウスの物を4ハウスに移動するのでしょうか? 4ハウスに全て含まれるとすれば、配偶者からの遺産は7ハウスからの2番目、8ハウスとされていることと矛盾します。

 

 

 このように、西洋占星術はまだまだ解決しなければいけない問題を多々抱えています。そこへ降って湧いたように古代のテクニックが堰を切って押し寄せています。様々な情報に押し流されないようにするには、又、それなりに自分自身が考慮を加えるには、充分な考察のできるだけの基礎を、何をおいてもしっかり得ておかなければいけません。

 

 基礎は、西洋占星術の成立と共にできています。というよりも、その基礎がなければ西洋占星術が星占いから離陸できなかったような基本的なものです。それは、簡単に歴史を紐解けば理解できるでしょう。

 

 

 しかし、その後に派生したテクニックを掘り起こす事は、基礎をしっかりと把握していても難しくなります。だからこそ、最低限の基礎は押さえておかなければなりません。