西洋占星術の 5ハウス



● 金星が支配星で、ジョイになるハウス

■ 金星が最も主体性を持つハウスです。

  カルディアン・オーダーで配分される惑星は金星です。また、5ハウスで「ジョイ」となる惑星も金星です。「ジョイ」となる惑星と、カルディアン・オーダーで配置された惑星が一致するハウスは他にありません。昔から「楽しみ事の部屋」と呼ばれています。

 

  第2ハウスの所でも述べられているように、金星とお金に密接な関係はありません。あるとすれば、金星は財産を使う惑星です。稼ぐ意味は持っていないのです。

 

  金星の持つ意味は、ヴィーナスから来ているので、美しさであり、装飾品などが含まれます。それが豪華で、高価という意味なら、資産に入る金銀財宝が含まれますが、視点は、あくまでも美しさにウェイトがかかったものです。

 

  美しい装飾品や衣装は、喜びをもたらすものとして、5ハウスに関わってきます。人生での喜びを伴わせてくれる事柄、恋人とのデイト、食事、二人で過ごすベッド、SEX、妊娠、出産、子供は全て第5ハウスの事柄になります。

 


● 金星は、次のような事柄とも関係しています

   金星の持つ喜びや楽しみの意味は、プライマリー・モーションで、太陽が5ハウスに来た時間帯の、人々の生活上の事柄から導き出されているように思います。

 

  5ハウスは、土星から数えて5番目の惑星の金星が支配する場所で、重ねて金星がジョイにもなっている特殊な場所です。それゆえに、5ハウスの意味は、金星の意味とそっくりになっています。

 

  5ハウスの意味を探って行くと、まるで、金星の意味を読み解いているような錯覚に陥ります。

楽しみ、愉しみ、喜び、歓び、悦び、慶び、歓談、陶酔、快楽、愉悦、妊娠、子供等々。

 

  社会的な結婚と、情事の相手を除いて、ほぼ、楽しみ事は5ハウスです。

 

  社会的な結婚と、二人が愛し合う形はどこかに異なった所があります。愛し合う2人が社会的に認められる結婚をすることは最良の形なのですが、古代からこれらは別々の形態と考えられてきました。5ハウスは愛し合う悦びを表しますが、金星の方は、社会的な結婚も、愛し合う事も表しています。社会的な結婚のハウスは、チャートの頂点、目立つ場所、10ハウスです。

  

  5ハウスのオポジションの11ハウスも喜ばしいハウスです。11ハウスは、恋人と過ごす楽しさというよりも、友人や知人です。仕事上の期待や喜びも11ハウスに入ります。

 

  昼の惑星と呼ばれる、太陽、木星、土星。これらは「ジョイ」として。うまい具合にハウスの昼の部分に当てはめられています。9、11、12ハウスです。夜の惑星である月、金星、火星は、それぞれ「ジョイ」として、3,5,6ハウスの夜の半球に配分されています。水星は、昼の惑星でも夜の惑星でもどっちにでも気分によって入れ替わります。また、強くアスペクトする惑星によっても、男性としての性質を持たされたり女性として扱われたり変化します。

 

  水星は地平線から5度だけ頭を出したところを含むアセンダントの「ジョイ」です。

 

  金星は、快楽、スポーツ、趣味、活動的なもの(を伴う)喜び等が含まれます。さらに拡げられた意味合いは、飲酒であり、ギフトであり、ゲームであり、情事であり、ロマンスです。

 

  惑星の強さの一つの見方として、昼の惑星が昼の部分にいる場合が強く、あるいは、夜の惑星が夜の部分にいるときが強いのだ、という判断を用いることがあります。この条件に当てはまるのは更に、男性の惑星である太陽か木星が、地上において男性宮に有る場合、そして、女性の惑星が夜の半球の女性の宮に有る場合、つまり、月か金星かしか成り得ないのですが、"ヘイズ"と呼んで、強いとする考え方があります。

 

  さて、金星が「ジョイ」となる5ハウスですが、土星の「ジョイ」となる12ハウスから、そして、火星の「ジョイ」となる6ハウスのから切断されたハウスです。でも、アセンダントからトライン、そして、夜の部分であり、夜の惑星の金星である彼女にとってこれほど適切な場所は他にありません。

 


● 妊娠しますか

● 『私は妊娠しますか?』 

 

  今日、『私は妊娠していますか?』という質問は聞かれなくなりました。病院で検査を受けた方が速いですし、妊娠試験紙というものも売られています。全く、問われないわけではありませんが、少なくなりました。

 

  唯一残る妊娠に関する質問は 『私は妊娠しますか?』 です。

 

  アセンダントのロードが5ハウスで見つかる、5ハウスのロードがアセンダントに見つかるならば、

比較的判断は簡単です。しかしんがら、これらの印があって、占星家が、

  「あなたは妊娠しますよ」

と答えても妊娠しないときがあります。

 

  それはどんな時かというと、生殖行為が行われなかった場合です。

 

  同じように、「あなたは試験に合格します」と答えても試験に落ちる場合があります。本人が勉強しない、あるいは、試験を受けなかった場合です。

 

  これらは、占いの結果が全てではないことを如実に示す事柄です。

 

  また、妊娠の問題に関しては、クライアントが旦那さんの子供を産みたいのか、愛人の子供を産みたいのかを、疑う必要がある場合もあります。チャートには浮ついた気持ちや、パートナー以外の男性の登場が予期されても、質問者は始めからそれを語りません。占星家が確実にクライアントの秘密を守れるかどうかにも深く関わってきます。

 

  子供ができるできないの質問では、子供ができないという表示は明確に示されます。しかし、できるという印は、確実に出ないことが多いものです。

 

  7ハウスのパートナーとなるロードが、土星や火星からアフリクトされていて、5ハウスのルーラーとの関係を阻んでいたりします。それでいて、妊娠できないと強く否定されていない場合。チャートの解釈は困難を極めます。クライアントに医療機関と相談されたかを問うと治療の経験があったり、旦那さんが治療を受けている場合などがあります。このような時の火星は、大抵は現代医学的な医療を示します。

 


● 5ハウスは、情事の相手のハウスではありません

● モダンなテキストを読んでいると・・・

  ホラリーでは、情事の相手が5ハウスのロードで示されると書かれているものがあります。

 

  それは、間違っています。7ハウスです。

 

  ハウスの意味から、愉しみは5ハウスですが、5ハウスが示すのは人物ではなく、愉しみの質の方です。ハウスに対する誤解です。どんな時でも、一時の人でも、パートナーは7ハウスです。

 

  夫が居ても、愛人のことに付いて問われたら、7ハウスが愛人です。

 

  旦那さんは、チャートのどこかに登場しています。

 

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  奥さんからの質問で、「夫は浮気をしていますか?」 では、歴代の占星家は別の視点から観察していて、どの占星家も、ASCを夫として観察をせよと、なっています。これは、占星術的な感覚・感性の問題ではありません。研究された結果、ASCを夫としてスタートさせているのです。

 

  その後、7ハウスは夫に戻しますが、ASCは、自分を含めて、夫の相手になります。

 

  ぜひ、この判断は、「愛のホラリー占星術」 から学び取るか、8~9世紀のアラビアの占星家達の書いたものから学び取ってください。

 

  その際に必要なのは、リセプションの知識です。

 

  つまり、浮気や不倫のホラリーの質問は、リセプションを知らないと解けないということです。

 


  その他、5ハウスは子供のハウスですから、自分の事業を、どの子供に残すべきかという問題に直面したならば、その特定の子供を把握しなくてはいけません。占星術ではこれを解決する方法を持っています。

 

  他にも、子供に関する質問が起こります。「デーブルの上のケーキを食べたのは誰?」 です。

 

  ホラリーではまた、4ハウスの意味する資産による利益(不動産からの2番目のハウス)を鑑定する場合に使います。

 

  「この不動産は利益を生むのか?」 といったような質問に答えてくれます。特に投資の対象として不動産を取得する場合などに有効です。父親(4ハウス)の財産を当てにしている場合なども、対象になります。彼は私の技術学校への学費を払ってくれるかどうかのような場合です。

  


  ボランティアのハウスが不明でした。しかし、ここ最近ボランティア活動についての質問が続き、5ハウスではないかなと考え始めています。